今回は作曲家ヴァンゲリスについて書こうと思う。

この人は今年の5月に79歳で他界した。なんでもコロナ感染の治療中だったという。

 

ギリシャ生まれ。そこで1970年代はバンド活動をしていたが、その頃のギリシャにおける軍事クーデターによる暴動がイヤでヨーロッパへ活動拠点を移動した。解散後にはシンセサイザー奏者として活動し、映画音楽の作曲にも携わるようになる。

 

1980年の『炎のランナー』は名曲だが、これで米アカデミー賞作曲賞を受賞。一躍全世界にその名を轟かせるところとなる。のちのリドリー・スコット監督『ブレードランナー』(82)にも作曲活動に参加、また1984年には日本映画にも携わり、高倉健や渡瀬恒彦らが出演する『南極物語』のテーマを作曲、社会現象を巻き起こした。南極に取り残されたソリ犬、タロとジロのサバイバルを賭けた実話の映画化。以後、映画には2~3本ほどしか関わらない。

 

『ブレードランナー』に関して触れると、このCDもまだなかった時代、サントラLPは存在していないという。ヴァンゲリス自身が発売中止を申し出たというのだ。理由は2つ、ひとつは映像との一体感を目指すためにサントラだけでは不十分として、音楽が収録されているVHSビデオだけに留めたかったようである。もうひとつは『炎のランナー』でアカデミー賞を受賞し、しかしながら映画音楽家と自身が呼称されるのがイヤだったというのである。あくまでシンセサイザーとして筋を通したかったようなのだ。また、のちの1992年に公開された『ブレードランナー ディレクターズ・カット版』で初めて公式のサントラCDが発売されるようになったのも一種の話題となったようだ。本物のオリジナルのサントラは本編でない限り、聴けないらしい。

 

筆者は『炎のランナー』をカセットテープ(映画音楽集)で初めて聴いた昔話。他にも『E.T.』などの編集された曲が入っていたカセットテープだったが、映画が満足に観れなかった代わりに聴き齧っていた時代があったのであった。この名曲は忘れられない。

 

そういう訳で、筆者のYoutubeには数日前からだが、下記の曲の動画をアップロードした。

『炎のランナー』

『ブレードランナー』愛のテーマ

『ブレードランナー』エンド・タイトル

『南極物語』

どうぞ楽しんでいってください。

 

あと、名シリーズ『ロッキー』の3曲もいつの間にかアップロードしてあります。

併せてお楽しみください。