稀代の画工の大筆。
その大きさは身の丈ほどあれど、
ひとたび揮われたならば千種万象、題材を選ばない。

しかし生半可な腕、正気の沙汰で操ったところで
到底、神懸かりの域に漂着すらできない。
それはもういっそ———

狂うほどの画への執着がなければ。