10月28日
本日、地震の特異日…らしいです
webで見た記事によると、晴れていると危険度(確率)が増すそうで。。。
台風&前線のせいで、ばっちり雨だよ~
喜んだらいいのかな
昨日は秋晴れ青空の興福寺の写真を掲載したのですが、
きょうは打って変わって冷たい雨
それでも、午前中は止み間もけっこうありました
今日から正倉院展(11月13日まで)
ということで、
行列覚悟で、朝っぱらから行ってきました(招待券があったからネ)
9時開館に合わせて、8時半には着くつもりが、
24号線は案の定、渋滞
県営登大路駐車場は、地上とB1満車
着いたのは、9時を回ってからでした
入場ゲート外側特設テント(行列入り口:上の写真では、右の松の木のあたりにあります)の脇で、
アルバイトのお兄さんが拡声器で「ただいま60分待ちでーす」と叫んでいます
「やってもた、しゃーないか」と言いつつ、並ぶ、並ぶ。。。
建物(西新館)下のピロティ(上の写真の柱のところ)にぎっしり列をつくるのですが、
とちゅうモニターで宝物の映像を流したりしてくれて、退屈せずにすみます
と、意外にすいすい列は進み、20分足らずで入館できました(60分は大げさやでー)
さっそく、会場へ…ではなく、「ボランティア解説」が行われる講堂へ
30分のスライドで、見所解説(原稿読み上げ)してくれます
「今年はどんなん出るんかなー」とチェックできたり、
本物は小さくて見づらい宝物の拡大画像を見せてくれたり、
ちょっと居眠りして休憩できたり、
まあ、いろいろとありがたい解説ではあります
講堂でのボランティア解説は、10:00~、11:00~、12:00~、13:30~、14:30~
土曜日は土曜講座などありまして、午後はありません
さて、今年の展示物ですが。。。
(ご紹介するうち一部の出陳品は、奈良国立博物館のホームページに解説付きで画像がありますのでご参照ください http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2017toku/shosoin/2017shosoin_index.html )
今年は鏡が2面
「槃龍背八角鏡(ばんりゅうはいのはっかくきょう)」は、なんという鋳造の細かさ
鈕の亀の尻尾がかわいい
ポスターや記念切手にもなっている「羊木臈纈屏風(ひつじきろうけちのびょうぶ)」は、
木の色がきれいに残っていて、ハワイアンキルトの意匠に似ているという感想も。。。
となりの、「熊鷹臈纈屏風」、メタボの麒麟が口から煙を吐いている
(口から吐いているのは雲気だそうです)
「臈蜜」というのは、現代では蜜蝋というヤツですな
この蜜蝋“団子”がわんさと展示してあります
「饅頭だ」という意見もあり、「煎餅だ」という意見もあり。(けっこうでかいのよ直径10センチはある)
解熱剤に使ったり、臈纈に使ったりしたそうですが、今でも、融かせば使えそう
この「臈蜜」が四十七斤十二両(約32kg)入っていたらしき麻袋も展示アリ
笛が二振り
会場で流れている音は、「玉尺八(ぎょくしゃくはち)」(大理石の縦笛)の音だそうですが、
尺八にしては小さく、音は、キンキンしないリコーダーといった感じ
聖武天皇ご愛用の品だそうです
酔胡従の面はおなじみとして、Oh歪んだ迦楼羅の面…
これでは顔に、はまらない
乾漆造のため、長年の星霜に歪んでしまったもので、修復してゆがみをかなり直したそうです
でも、まるでヒョットコだよね、鶏冠があるから鳥だってわかるけど
“なんちゃって紫檀”のついた小箱(「碧地金銀絵箱(へきじきんぎんえのはこ)」)は、
きれいな薄青い表面に金銀泥で描かれた細かい模様がキレイ
細かいので、スマホの拡大アプリで見てる人がいた(写真は厳禁です)
なんちゃって紫檀以外にも、なんちゃって鼈甲アリ〼
目玉展示の一つ、「緑瑠璃十二曲長坏(みどりるりじゅうにきょくのちょうはい)」(ガラスのさかづき)
それほど透明度は保っていないのですが、
ライトの当て具合がすこぶるいいので、色がほんとにきれい
切子で、ウサギやチューリップのような花が彫り込まれていて、
繊細なのか大胆なのか…
坏は、お隣、玉製の細長いのが繊細できれいでした
あれに、クリームチーズの味噌漬けでもちょこっと盛りたい。。。
その隣のサイの角を使った坏で貴腐ワインなど舐めながら…
そろそろお腹が空いてきたのか、食べ物を妄想し始めています
思ったよりもずいぶん小さい首長の水瓶「金銅水瓶(こんどうのすいびょう)」
S字型の鶏冠は鳳凰の印だそうです
目玉展示の一つみたいだけど、漆胡瓶ほどのインパクトはないかなー
玳瑁がびっしり貼られた杖は、どうやって使ったのか、想像が尽きないところ
それにしても、継ぎ目がわからない繊細な工芸です
鼈甲のくせに、竹みたいに偽装してるんだもん、きっとアラレちゃんが、「ヘーンゲ」って使うんだよね
あれ杖持ってるのは亀仙人だった。。。
ド迫力なのが、銀の鍋
これは、平安時代も後半の1079年に収蔵されたものではないかという話なのですが、
囲炉裏にかける鍋みたいな取っ手がついていて、
直径48.5センチ、重さはなんと5,451.8gもあります
5キロの銀
この先、文書(もんじょ)出現
地味さ高まる
戸籍や出納帳の先に、刀子ゾーンが来たゾ
刀子は、消しゴムでありハサミであり万能の文房具
この愛らしき工芸品たちは、人だかり&じっくり見るから動かないため、見学の難所です
今年の刀子は3点
「黒瑠璃把白銅鞘金銀珠玉荘刀子(くろるりのつかはくどうのさやきんぎんしゅぎょくそうのとうす)」
「沈香把仮斑竹鞘樺纒金銀荘刀子(じんこうのつかげはんちくのさやかばまききんぎんそうのとうす)」
「沈香把玳瑁鞘金銀荘刀子(じんこうのつかたいまいのさやきんぎんそうのとうす)」
mm、読むだけでくらくらしそう
茎(なかご)は、奈良国立博物館のホームページによると「剣先形」、図録では「先剣形」…さて
(思うに、たぶん、先が剣の形をした、先剣形が正解)
毎年なにかかにかと出陳される佩飾品(刀子もその一つ)は、
いろいろなものを組み紐でまとめて腰に下げて(きびだんごじゃないよ)チャラい飾りにしたものです
チョークバッグみたい。。。
何に使ったんだろうなーって感じのもあるし、
まさかいつでも盛れるように毒薬でも持ち歩いたか、みたいなのもある
「斑犀合子(はんさいのごうす)」(サイの角の腰飾り)もそのひとつです
…疲れてきたか、考えることがアブナくなってきた。。。
と、目の覚めるような逸品に出会ってしまいました
最後にくるお経ゾーンの手前
経帙(きょうちつ)はお経をまとめてくるんで保管する包みなのですが、
字が織り出された「最勝王経帙(さいしょうおうきょうのちつ)」(どうやって字を織り出したんだ)
に、加えて、色糸の模様もあざやかな「竹帙(じす)」
細い細い竹ひごに色とりどりの絹の横糸でアンデスで見るような模様を編み出している
竹製品の繊細さは、なんちゃって紫檀小箱のあったゾーンでとくと見ましたが、
これは、色目が美しい
そういえば、会場入り口の「正倉院展」の字が白打ちされたパネルの縁に、この模様がありましたナ
芸が細かいです、正倉院展
残りの展示品の影はすっかり薄くなり、
初出陳の三無性論(先一部一切経)の美しい字などろくに目に入らないまま、
会場をあとにしたのでありました
お腹空いたー
地下回廊のレストラン葉風泰夢へ
一年に一度のお楽しみは、正倉院展記念特別薬膳弁当
奮発したよ、2段1,600円(税込)
1000円の1段のもあります
本年のメニュー
海老率高し
購入年齢層も高し
揚げ物多し(後ろにも隠れてる)=カロリー高め(約900㎉)
今年も大変おいしゅうございました
食後、雨が降っていなかったので、付近を散策
もしかしてこのひと…
おせんべくれる?
えー、もってないの
ハイ、買いました
今年は、ちゃんと鹿に追いかけられたよ
去年は、鹿せんべい持って鹿を追い回したけど(もらいすぎて鹿が飽きてた)
これが、やっぱり自然な姿
雨が降り出したのでひきあげることに。。。
Wow、ウリムーに囲まれてる
奈良公園は、「ウリムーの巣」でした。。。
以上、第69回正倉院展記
長々と書きましたが、
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます