「半減期」の正しい知識 | 五井野正博士より気付かせてもらったこと

五井野正博士より気付かせてもらったこと

五井野正(ごいの ただし)博士の数十年来のファンであります。
博士から学んだことを基本にして、あれやこれやと書いていきたいと思います。

半減期について、正しい認識をしている人は、少ないと思います。
私も、五井野博士の講演会で聞くまでは、完全に誤解していました。



例えば、日本原子力文化振興財団のHPには、
http://www.jaero.or.jp/data/02topic/fukushima/knowledge/17.html
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「放射能の減り方(半減期)

放射性物質はもともと不安定な物質で、不安定の元となる余分なエネルギーを放射線として出しながら、別の物質に変わっていきます。同時に、放射線を出す能力(放射能)がだんだん減っていく性質があります。放射能が半分になるまでの時間を「半減期」といい、この時間は放射性物質の種類によって決まっています。

例えば、ヨウ素131の半減期は8日で、8日たつと放射能は半分、16日たつと4分の1、24日たつと8分の1というように減っていきます。

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と書いてあります。


この説明からは、半減期を過ぎるほどに放射能は減っていき、安全になっていくように感じます。

しかし、この点が間違いなのです。


>『・・・不安定の元となる余分なエネルギーを放射線として出しながら、別の物質に変わっていきます。同時に、放射線を出す能力(放射能)がだんだん減っていく性質があります。・・・』
別物質に変わるとありますが、それがすぐさま安全な物質ではないのです。
別物質となった物質は、最終的な安定物質ではなく、この物質も放射線を出すのです。


ヨウ素131が半減期を過ぎると、ヨウ素131は半分になりますが、片方の半分がすぐさま安定物質に変わるのではないのです。
また別の放射性物質に変わるのです。


この点が、正しく理解されていないのです。
上記HPでも、説明が正しくありません。


また、この変わり方は、一定していません。
変化した物質によっては、α線だったりβ線だったりγ線を出すこととなります。



本当に最終的な物質である鉛になるまでは、やはり途方もない時間が必要なのです。
半減期が来て、また別の物質に変化し、その物質がまた別の物質に変化し、・・・これを繰り返すのです。

鉛になるまでの間、ずっと放射線を出し続けるのです。