作家伊集院静さんの文章が大好きです。連載されているエッセイ目当てに、JR東日本新幹線の社内誌トランヴェールや、毎週せっせと週刊誌を買い求め、読んでいます。

今週号は「あれから２５年。妻、夏目雅子と暮らした日々」が掲載されています。

夏目雅子さんの死後、

「人間は己でどうしようも出来ないことが一生で起こりうるし・・・　生きること、死ぬことがどうでもよくなってしまったんです。”途方にくれる”という状況でした。」

と綴られていて、深い悲しみが胸を打ちます。

最後の文は、

「あなたはまだ若いから知らないでしょうが、哀しみにも終わりがあるのよ」

と、映画の台詞で締めくくられていて、今は新しい奥さんとの落ち着いた幸せな暮らしぶりが想像されました。

人間である以上誰しも死が訪れますが、先だって嚥下することが難しくなった人の食事について管理栄養士の生徒さんから話を聞きました。

１０年に渡り、彼女は見た目もよく、舌の上でふんわりと潰れ、口の中でしっかりと固まり、飲み込み易い介護食を研究しています。

上からかけるあんも梅風味あん、練りゴマあん、甘酢あん、味噌あん、カレーあんと、とても味のバリエーションを工夫して、美味しさにこだわっているそうです。

素晴らしい！

もずくの嚥下食

この煮物定食が下記のような嚥下食に

中には刺身が食べたいとか、外食をしたいと駄々をこねられる方もおられるとか・・・

なんだか自分の行く末の姿のようで、苦笑してしまいました。

いずれ、私も天国に召される日が来ますが、なんとか自分の歯で噛み砕いて最後の食事をしてから、旅立ちたいものだと思っています。

夏目雅子さんのように、伊集院静さんやご家族以外に、多くの人の心の中に長く生き続けておられるのは、若く美しいままで散られたということもあるのかな？と。

還暦を過ぎ、大還暦（１２０歳）を目指している私はそれだけで・・・　　もう無理ですね（笑）

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洒脱な伊集院静さん