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 【北京・浦松丈二】

15日から北京で開かれていた中国共産党の第17期中央委員会第4回総会(4中全会)は18日、「新情勢下での党の建設強化・改善」についての決定を採択し、閉幕した。

公表された総会コミュニケ(公報)は人事に触れておらず、党序列6位で「第5世代」筆頭格、習近平国家副主席(56)の中央軍事委員会副主席任命が先送りされた可能性がある。

 習氏は胡錦濤国家主席(66)の最有力後継候補と目されてきたが、軍人事が先送りされたとすれば、今後、胡主席の出身母体である中国共産主義青年団出身で序列7位の李克強副首相(54)との後継争いが激化しそうだ。

 中国筋によると、習氏は4中全会で軍事委副主席、12年の党大会で党総書記、13年に国家主席に就くことが既定路線だったが、党内の一部に習氏を胡主席と同じように昇進させることに抵抗があったという。

 中国では軍を掌握することが最高指導者の条件であり、第4世代の胡主席は99年の4中全会(第15期)で軍事委副主席に任命された。

02年に党総書記、03年に国家主席、04年に軍事委主席と順に就任し、第3世代の江沢民氏から最高指導者の地位を引き継いだ。

 習氏の軍事委副主席就任が胡主席のケースと比べて1年以上遅れることになれば、前例を重んじる中国共産党の制度的な権力移譲に例外ができたとみることもできる。

習氏の健康問題など外部には伝わりにくい要因も取りざたされそうだ。

 一方、18日付の香港紙「明報」は消息筋の話として、4中全会は習氏の軍事委副主席任命を決定しても、この人事は10月1日の建国60周年の軍事パレード終了後に軍事委拡大会議の場で公表されると伝えている。

 しかし、軍事委人事は党中央委員会の専管事項であり、中央委員会総会の内容をまとめた公式文書であるコミュニケに明記されないことは極めて異例だ。

明報も公表を遅らせるのは「慣例を破る方法」と指摘している。

 このほか、コミュニケは「(選挙制度など)党内民主を積極的に発展させ、民族団結を進め、社会安定を守っていく」と強調した。

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毎日新聞 2009年9月19日 東京朝刊