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民主党の鳩山由紀夫代表は、新首相として出席する今月下旬のニューヨークでの国連総会で、核兵器廃絶に向け、世界的取り組みの「先頭に立つ」決意を表明する方針を固めた。

被爆国として核廃絶への積極姿勢を前面に掲げ「鳩山外交」をアピール。

「核のない世界」を目指すオバマ米大統領と歩調を合わせる狙いもある。

ただ、「核の傘」を含む米国の抑止力に依存している現状の中、理想とのギャップをどう埋めていくかが今後の課題となる。

鳩山氏は、23日から各国首脳が行う国連総会の一般討論演説や、オバマ大統領が主催する24日の安全保障理事会首脳会合に出席する。

国際社会へのデビューとなるもので、米国やロシアなど核保有国の軍縮努力の後押しを表明するとともに、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効、核拡散防止条約(NPT)体制の強化を訴える考えだ。 

 唯一の被爆国である日本はかねて核廃絶を訴えてきた。圧倒的数量の核兵器を保有する米国のオバマ大統領が4月のプラハ演説で「核のない世界」を目標に掲げたことを受け、外務省では「核軍縮を進展させる千載一遇のチャンス」(幹部)ととらえ、鳩山氏の演説に期待を寄せている。

しかし、北朝鮮が核・ミサイル問題で強硬姿勢を崩さず、中国も核軍縮交渉に参加せず軍備を増強。

日本にとり、米国の核の傘の重要性は変わらないとの見方は多い。

こうした状況で性急に核軍縮が進めば、敵基地攻撃能力の保有などを求める軍拡論が強まりかねない。

また、鳩山氏は核兵器持ち込みをめぐる過去の日米密約の調査を実施するとともに、非核三原則順守の観点から、米側に「持ち込まない」と確約させる意向を表明。

こうした発言に対し、専門家の間には「わが国の安全保障を弱体化する」との批判も上がっている。

「途上国は核廃絶を唱えながら米国の核に頼る日本を『偽善的』と不信の目で見ている」(国連外交筋)。

こうした指摘すらある中、鳩山氏にはパフォーマンス外交とは一線を画した冷静な取り組みが求められそうだ。(2009/09/12-18:20)