ハート型の箱 | 好きにさせてくれ

ハート型の箱

アメリカのバンド"Nirvana"の三枚目のアルバム"In Utero"に
収録されている曲"Heart-Shaped box" このタイトルと同名の
小説を去年の暮れから読んでいた
著者はジョー・ヒル、彼にとって処女長編小説であり日本では
初刊行された本。

しかし彼の書籍は現地でも短編集1冊と初長編の本書の二冊と
まだ少ない。
本書も現地アメリカとイギリスで去年の2007年に刊行された
ばかりで(2月と3月)日本語版も小学館文庫より2007年12月に
出たばかり。
…はずだったが今月アメリカ(英?)では3冊目の新刊が刊行さ
れるらしい
"Locke&Key"【錠と鍵】 というタイトルのようだ。
翻訳版は早くて今年の暮れ頃か?…その位までなら待つ!w

彼の存在を知ったのも偶然、12月20日の日記の裏を取るためネットで色々調べていて行き当たったのがキッカケ。その日の日記にも書いたが彼はスティーブンキングの息子でジョセフ・ヒルストロム・キングが本名
文庫版の奥付が12月11日一刷発行となってるので偶然と言えばそれまでだけど
何かこの本に呼ばれた感がすごくある(笑)
たまにこういうシンクロニシティが起こるので面白いw

彼は「ジョー・ヒル」というペンネームで短編作品を発表してきた。
この本の解説によると1995年に大学卒業後、短編作品を文芸誌等に発表し
2005年に限定版という形で「20th Century Ghosts」と言うタイトルの短編作品集を発表したらしい。2007年10月に通常版とも言うべき復刻版が新たな物語を1つ加えて米英で刊行された。日本でも近く刊行予定だそうだ。
彼はペンネームで短編などを文芸誌などに発表ししだいに注目されてきたようだ。父と同じ土俵で真剣勝負するためペンネームという仮面をかぶった。
当然本名で作品発表しても色眼鏡で見られるだろうし、親の七光りと影でささやかれるのも面白くないだろう。リチャード・バックマンのペンネームで作品を発表したSキングに似ていて面白いww

 さて、この「ハートシェイプト・ボックス」ハート型の箱の
ストーリーだがジャンルで言えばモダンホラーの部類に属する
のであろうが、小気味の好いテンポとロードムービー的なスト
ーリーでぐいぐい引っ張って行ってくれる程よい疾走感が心地
よかった。
 ロック界のカリスマであった主人公ジューダス・コインがある日、幽霊付きの黒いスーツをネットオークションで落札し手に入れた事から起こるその顛末で
ストーリーの大枠は比較的オーソドックスだがダラダラとした描写で枚数を重ねる事も無くラストは私の好きなキング作品「ファイヤー・スターター」を思わせる優しく心地よい読後感を味わせてくれた。
 最近のモダンホラーというと日常の些細な事をどんどん積み重ねて行く手法が定番となりつつあるので話が動き出すまで、エンジンがかかるまでチョット我慢なんて事はよくあるのだが、今回は最初から展開が速い速いw
逆に後半の話がすごく間延びするんじゃないかと心配したほど。
当然父、キングを意識しながら読んだのだが
(この情報を知った上で意識しないで読めるキングファンは多分いないw)
キングの亜流でもないしエンジンの掛り具合はむしろキングより早く、次の展開にワクワクしながらページをめくった。
劇中登場する主人公の二匹の飼い犬アンガスとボンはロックバンドAC/DCのメンバー、アンガス・ヤングとボン・スコットに由来する
AC/DCといえば父Sキングの監督作品"Maximum Overdrive"1986年7月米公開、邦題【地獄のデビルトラック】のサウンドトラックと主題歌 をキングたっての願いで提供している。この映画は失敗作や駄作との呼び声が高いが原作小説の落ちと見事に陰と陽を分けた二重構造の作品だと勝手に思っているので私は大好きだったりする最近店頭でDVDを見つけ購入してしまったw。
ボン・スコットは1980年に亡くなっておりその後のAC/DCではあるが…。ロック好きの父の影響もあったのかジョーヒルはティーンエイジャー時代をロック漬けで過ごしたらしい。
その空気感がこの小説にはあふれている。
"Nirvana"の"Heart-Shaped box"PV をYouTubeで見たが
曲の雰囲気とこの小説の雰囲気が見事にマッチしていて好きになった。
2010年映画化が決定しているそうで、彼のサイト のBBSには主人公ジューダス・コインのイメージはどの俳優が近いかと議論を重ねているようだ。
個人的にはあまり変に脚色しないで映画化して欲しいと望んでいる。

※今回試しに関連動画(YouTube等)をリンクとして埋め込んで見ました。
変な所には飛ばないのでご安心を(笑)
※2 あ、タイトル?釣りに決まってるジャン(笑)