
人数の町 2020 111
65点
借金したあげく、変な街に飛ばされた
中村倫也...
監督は東大卒で
CM畑を歩んできて
今回が初の長編映画監督
ついで原案、脚本担当の
あらきしんじさん
50歳です
変な街に強制的に連れてかれて
変な生活を送る人達の
日常を淡々と描く
掴みどころのない
ディストピアSF設定なんですが
要所要所で
現実の日本の統計
自殺者とか倒産件数とか
行方不明者とかの
日本に現実にある、括弧書きではありますが
不都合な真実の数字が表示され
その数字の裏にある
毎年この人数の行方不明者出てるのって
どういうこと?
どこいっちゃったの?
っていう数字の外の
日本ってどういう国なの?
っていう疑問というか
人間の数、
それこそ人数の底知れぬ怖さ、
みたいなものが薄ら漂う
ディストピアSFなのに
現実と地続きっていうバランスが
なんとも言えない不気味さを作品全体を
包み込んでいました
んで話は何か派手な展開があるわけでも
ないんですけれど
この変な町での衣食住
ついで、性欲処理のディテールが
ドライなタッチなんだけど
どこか生々しい
たぶん自分がこの街に放り込まれても
こうなっちゃうんだろうなあ
何も考えず
こうしちゃうんだろうな
的な
妙に説得力のある描写が面白くて
最後までなんか、見てしまいました
ついで
この街を支えるメカニズムというか
仕組み
お金の流れのようなものが
なんとなく誰でも想像出来てしまうような
余白も良くて
やっぱり日本て終わってんなあと
欠陥だらけの気持ち悪い国だなあと
改めて強く感じる
実は社会派
体制批判を隠し味にした
珍作ディストピアSF映画でした〜