
◎リチャードジュエル 2020 131分
80点
爆弾を見つけ多くの人命を救った警備員が
一転、容疑者になってしまう...
監督はご存知生けるレジェンド
御歳89歳のクリント・イーストウッド
1996年アトランタオリンピック開催中の
爆弾テロの被害を最小限に抑え、
英雄と称された警備員が
藪から棒に最有力容疑者になってしまう
警備員は昔のツテを頼り
胡散臭い弁護士とともに戦っていく...
という設定の
実話サスペンスです
主人公の太っちょ警備員は
決して聖人ではなく、
歪んだ強い正義感をもってることを
冒頭手際よく描写していき
その歪んだ正義感が伏線となり
のちのちに
メディアや警察につつかれて
ホコリを出していく
ボロを出していく
木を見て森を見ずのような報道や捜査に
本人も家族もボロボロにされていく
という一見
ベタな話も
スマートな人物描写
スマートなストーリーテリング
キャラの強い脇役たちと
色々と細部にまで工夫配慮がされているので
上映中ずっと
緊張感を持ちつつ見ることが出来ました
で
ストーリーの面白さもなんですけど
僕がこの映画に1番感じたのは
「無駄」ってことなんですよね
テロリストを捕まえたいけれど
わからない
だから
世の中の溜飲を下げるため
警察の世間体のために
無罪だろう真っ白な人を捕まえて
メディアも加担して
叩いてホコリを出して
白を汚していき、黒に見せていく
その全てが無駄
無駄なことをしなければならない
人間の愚かさが
ぐさりと来ました
ただ意図的だと思いますが
勧善懲悪描写が弱かったり
金銭面の実態がわからなかったりするので
そこらへん好みは別れるかもしれませんが
僕は大好き
目的の本質を失い
無駄なことを始める権力は
めちゃくちゃ怖いと感じる
弁護士弱者救済映画でした〜