
世界で一番ゴッホを描いた男 2018
65点
20年、ゴッホの複製画を描き続けた男が
ゴッホの原画を観にいこうとする...
中国オランダの合作の
ドキュメンタリー映画です
贋作ではなく
複製画としてゴッホの油絵を描きまくり
それで
生計を立てている中国人の画家
というより
複製画職人におよそ6年間密着した
映像をみてもかなり距離の近い
警戒心のない状態で撮られているのが
わかるドキュメンタリーでした
複製画職人という
文化系な職業に聞こえるも
上半身裸で延々と
ひたすらに複製画の油絵を描き続ける光景は
完全にガテン系
もろに肉体労働
しかも給料は激安と
なんだかすごい世界を見てしまったような
感覚に襲われました
それでも
ガテン系給料が激安な中でも
自分の描いた絵がどこか
高尚な場所で飾りているはずだという
文化系な願いがお金以外のモチベーションになってたりもするんですが
それの顛末は触れないでおきますが
この映画
なにが凄いかっていうと
層の厚さなんだと感じました
ゴッホの複製画を描くという層
複製画マーケットという層
貧困も肉体労働も生前のゴッホが貧しかったこととか
もういろんなフィルターがかかりすぎて
絵を描くことの本質を見失っている
ゴッホを世界で1番書いてるのに
本物を知らない
その全部のフィルターを
とっぱらって
1人の絵描きとして
ゴッホの原画と向き合った時に起こる
何か
の威力は凄まじいものがありました
顔のアップ、絵のアップ、
顔のアップ、絵のアップ
単純なカメラワークに込められた
静かな変化はこれ一見の価値ありの
ゴッホ複製画ドキュメンタリー映画でした