
ハッピーボイスキラー 2013
60点
妄想の世界に入り浸る
シリアルキラー社会人...
主演がライアン・レイノルズ
監督がイラン産まれフランス育ちの女性イラストレーター
マルジャン・サトラピ
というなんとも不思議な布陣の作品です
映画自体も不思議というか奇妙というか
ポップな色使いや明るいキャラクターたちに
囲まれた舞台なのに
どこか不穏な要素
サイコパス的ニュアンスが伝わってきて
序盤のあるヴィジュアル的な
大仕掛け以降の空気は完全に
ヤバい映画のそれでした
ポップさと
シリアルキラーのグロテスクさを
観客の想像力を使わせて
同居させてしまったバランスは
ほかのシリアルキラー映画ではなかなか
味わえない貴重なものでしたし
あきらかに超ド級にヤバいやつなのに
社会に溶け込んじゃってる感は
ライアン・レイノルズならではの
説得力がありました
直接的なグロ描写こそありませんが
倫理的に、生理的に、
かなりNGライン
超えちゃってるので
鑑賞中のそもそもの
不快指数はかなり高いですし
なにより
こういう人が確実に存在しているんじゃないか
という我々の邪推、想像によって
この映画がポップになればなるほど
おぞましく感じてしまうという
画面の外にある
現実の世界にある人間の狂気を
ビンビンに感じてしまうような映画でした~