
無名ジャズピアニストと無名女優の恋...
最年少でアカデミー監督賞
とんでも熱量の前作セッションから
2作目のチャゼル監督です
冒頭のとんでもワンカットのミュージカルには仰天しましたが、
ミュージカル映画の薄ら寒さが苦手なのでその後どうなるかと思いきや
ミュージカルしながら支度したりと話がちゃんと進んでいたり
ミュージカルしてる人してない人いたり
とミュージカル濃度が薄めなので
すんなり気恥しさなしに映画を見れます
現代のはずなのに
色とりどりのレトロな衣装と
レトロな町並みがこれまたおしゃれなんですよね
話は税金とか絶対払ってないよなな生活感なさすぎ美男美女オシャレ馬鹿ップルの
デートに付き合わされているだけなので、
正直道中のどうでもいいわこれ感はかなりあります。
これに心底見惚れるカップルとか皆無だと
けれど、恋愛に溺れるため、恰好つけるために彼らが隠している現実が徐々に見えてくるにつれ
おくればせながら腹の中をさぐりあう嫌な緊張感がじわじわきて楽しいです
うだつの上がらない現実を離れて
自分の理想でいられる恋愛に
かっこ悪い現実は邪魔でしかない。
夢を夢のままで語るふたりはすんげー儚い
どっちかが現実みたらもう終わりなのよね...。
どうなんのこれと思いきや
やっぱりきました
「ああ、やっちまってるわこいつら」のクライマックス
夢を見終わった彼らの生きる現実がすれ違うラストは
甘ったるい前半を全部洗い流してくれるようなせつなさに溢れていました。
宙に浮くような昔の夢を
地に足ついて見返す時、
そのときの痛み、カッコ悪さも思い出すけど、それよりもさらに思い出すのは
あの頃の楽しかった思い出なんですよね...。
ひゃー
カップルで感想言い合うような気軽な映画ではなく
かつて夢を持っていた本気の人に見てほしい映画です