うつ病を発症してから、3ヶ月…全く良くなる気配は無かった。
仕事では部署異動で負荷の軽い業務しかこなせなかった。
毎日同じ事の繰り返し。
週末は彼女と会い、出かけたりしていた。
でも別れる予兆はあった。
実は06年夏に彼女は転職前に一人で旅に出た。
3週間ほどで帰って来てから、全く連絡が取れなかった。
不安に思い、メールや電話をするが全く反応がない。
家にも行ったが居留守される始末。
「終わりかな…」
そう、頭に過ぎったタイミングで彼女と電話する事が出来た。
「好きな人が出来たから別れる」
どこにでもあるフレーズ。
ココロの中で、いずれ言われるであろうと予感したフレーズ。
彼女は旅先で大学の先輩と会い、そこで愛を育んだそうだ。
正直に聞かされた時、逃げたくない気持ちから全て聞いた事で気が狂いそうだった。
彼女は僕の全てだった。
彼女は僕にとって、無色透明の「光」だった。
彼女を通して見る風景・考え方や価値観・センスまで、その「光」を通して輝いて新鮮だった。
でも、もうその「光」を僕は見る事が出来なくなった。
卑劣だけど、彼女の携帯を見た事がある。
楽しそうに相手とメールしていた。
「愛してる」
そうメールで言い合っていた。
悔しかった。全てが終わった気がした。
僕は彼女に辛い思いをさせた。
彼女を守る事も出来なかった。
話をちゃんと聞く事も出来なかった。
全ては僕に責任があったんだ。
最初の自殺未遂をしたのもその頃だ。
結局死ねず、深く切りつけた傷のせいで今、僕の左手の半分指は動かない。
彼女が居なくなる事を直視出来ず、自分を傷つけて存在を確かめていたと思う。
その辺りから不眠症にもなった。仕事も連日深夜まで働き、余計な事を考えない様にしていた。
そう、僕のうつ病になったキッカケはこの失恋だったと思う。
ヨリを戻したり、別れたりを繰り返しながらも、彼女はその先輩と愛を育んでいた。
そして07年5月、彼女は僕の前からいなくなった。
僕には何も残らなかった。
もう、あの笑顔も見れない。
触合う事も出来ない。
毎日情けない位に泣いていた。
彼女と出かけた場所に一人で向かい、面影を探したりもした。
もう何も帰って来ないのに。
でも、生きていた。
僕にとって、インドは
僕から全てを奪った場所であり、
リスタートした場所にもなった。
そこから数日後、僕は旅に出る事にした。
自分を否定して、再生する旅に。
