2mと435 どちらが飛ぶのか?

 

 当局の基地は埼玉県北部の深谷市です。ここから2mと435MHzの飛距離の比較をしてみました。

 構成:基地局 出力1W アンテナ 無指性                カタログゲイン2.6dBi(144MHz)

               5.8dBi(430MHz)

        給電点高:13m(海抜62m地点)

 対向 移動局 出力1W出力1W アンテナ 無指性                     

        カタログゲイン2.6dBi(144MHz)

                     5.8dBi(430MHz)

電波型式:FM  伝送データはAPRS

結果

平均的に345MHzの方が2mより約30%程度伸びた

意外だったのは山岳地での回析効率から2mは有利と思っていたが半径数十キロ以内の比較的近距離では反射効率が435MHzの方が良く2mはおよそ半分程度の飛距離であった。

(深谷市と秩父市の間(140号線)を10往復での結果)

 

 アンテナゲインの相違

相互のゲイン差は送受Totalで数値上は6.3dBの差があり、これも考慮しなければならない。

ここに同軸ケーブル損失を加えると実質上は約5dB程度が435MHzに有利である。

計算上は電力5dBは出力電力が約3倍になるから飛距離も約1.7倍になり435MHzの方が有利である。

 

しかし、双方のアンテナゲインを同一にしたらその差は無視できる範疇ではないかと思いますが。

 

実際問題として2mでゲイン5.8dBを実現するアンアテナを

移動局側で(歩行するハンディも含めて)装着することが可能であるか?

 

また、今回の実験を通じて経験したのは2mは都市雑音の影響を受ける度合いが多く雑音の少ない田園地帯でもないと互角に比較はできず、一般的な市街地などでは435MHzにメリットが多いと言えそう

 

当局のある深谷市から友人の千葉県我孫子市までは直線で80Kmほどあるが地図の標高断面図で見ても見通しなのだが全て市街地を通過するルートである

 

千葉の友人との固定局同士で(互いに無指向性アンテナ)幾度も交信をしているが互いに50Wでも2mでは入感しないことが多々ある

勿論、2mの方が優ったこともたまにはあるが概ね435MHzに分が多い

 

但し経験上では比較的遠距離で仰角の低い山岳反射を利用した場合は2mの方が有利であることは幾度も経験している

 

結論としては

 どちらが有利かは環境によって変わるので運用スタイルによって選ぶことになるが、北海道のような平野が続き都市雑音が極めて低い広大なエリアは別としてモービル運用が主であれば345MHzの方に多少の分があると言えそう