東京は雪が降った後はず〜っとブルブルの寒さが続いている。
1、2年前までは正月の七福神巡りの後もセカセカと寺社巡りをしていたが、今年はもうこの寒空の下を御朱印巡りする熱意はない。
ブログ更新も中4日となったがタイムリーな記事もないから、またぞろ過去の御朱印を基にした記事にする。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」
誰でも知っているこの有名な川端の作品は、もう80年以上前に書かれた。
国境と言っても当然現在の国境ではない。明治初期までに使用されていた行政区分としての「上野・信濃・越後」の三国の国境を指す。
全国にいくつもある「三国峠」の代表的な国境だ。
現在は上越線の群馬と新潟の境にある「清水トンネル」が川端の「トンネル」だ。
当時の上越線は単線で国境を越える「清水トンネル」も1つだけだった。
現在は当然複線で「新清水トンネル」さらに新幹線の「大清水トンネル」があるからややこしい。
さらにこの峠を越える道路は国道17号(三国街道)の「三国トンネル」と関越自動車道の10kmも続く「関越トンネル」がある。
いやぁ〜80年も経過すると峠の様相は川端の時代とは一変しているが、変わらないことはいずれのルートをとっても、この峠を越えると景色も一変することだ。
「長いトンネルを抜けると雪国であった」
ここのところの寒波で東京方面から新潟を目指す場合、峠の手前から雪があるかもしれない。
3年前のGWの真っ只中だがトンネルを抜ければやはり雪国。
国道17号で三国トンネルを越えれば苗場の雪山が迎えてくれる。
さらに車を走らせて川端の「雪国」の湯沢を過ぎると石打。
JR石打駅近くから国道を少し西に入ったところにこの寺がある。
禅寺の表記でなく「禅窟」となっている。「窟」と巣窟をイメージさせられはおもしろいが臨済宗円覚寺派の禅寺だ。
総門をくぐり、三門に至ると大きく書かれた文字で「味噌なめたか」と聞かれる!
まだ舐めてないわよ!
この寺と味噌の関係はこちら。
本堂前の庭はまだ雪が残っていて、ところどころ溶けた雪でぬかるんでいたりして、目も当てられない。
この寺の訪問時期は季節がもう少し進んだ新緑の頃か、紅葉の頃が良さそうだ。
グリーンに覆われたら見栄えがしそうだが・・。
午前9時前だったが、親切に「どうぞ」と言われ本堂に上がれた。「波の伊八」ではないな!
味噌作りに使われた鉢などの道具類。その昔の寺は味噌醤油は自前で賄っていたのか?
エーカゲンにシャッターを押しているからボケボケだ。
さて「味噌なめたか」の関興寺味噌。
プラスチック容器入り200g 500円。
スーパーで安いものは500g 500円くらいから売っているから、これ、味噌としては安くはない。関興寺だけに観光地お値段か、観光客を舐めているのか?
地方に行くとよく味噌を買うことがある。たいがい安くない。
が、味噌汁にすると稀にとてつもなく美味しい時があるからヤメラレない。
500円は土産としての金額は小さいから1つ買ってみる。
500円なら結果的に舐められた金額だとしても後悔しない数字だ。
その前に試食用の容器があったから「味噌なめた!」
味噌作りのプロでもないし、せめてモロキューにでもしないと味噌だけそのまま舐めても味はよく分からない。
帰宅後、味噌汁にしてみた。
さすが僧侶用として戦国時代以前から何百年も作り続けてきた味噌だ。
「やるもんだ関興寺! 驚くほど美味しかった」と書きたいけど普通に美味しかった。
味噌はともかく初夏から秋の間にもう一度訪れてみたい寺だわね!
最上山 関興寺・臨済宗円覚寺派・新潟県南魚沼市上野