朝6時15分に目覚める。

同じく目が覚めた息子を寝室に残し、キッチンへ。野菜ジュースとホットミルクを飲む。

二度寝しようと部屋に戻ると案の定、息子は寝かせてくれない。ママもう少し寝るから、といってもあれやこれや話しかけてくる。まあ仕方ない。ギリギリまで布団でノロノロし、半分寝ボケながらリクエストに答えて絵本を読む。


ようやく起き出し、再びキッチンへ。私は何も食べられないが、息子におにぎりを握ってやる。何となくそうしたかった。


息子を夫にまかせ、出発。道中でペンレスを貼り忘れていることに気がつく。しまった!

指示の時刻より30分遅れで貼る。まあそんなに問題なかろう。


予約の9時半にクリニック到着。受付をして待合室で待つ。30分後、呼ばれて同意書を提出すると、日付を(記入した)昨日ではなくて今日に直して訂正印を押すよう言われる。前回そんなこと指示されなかったけどなあ。少しもやっとしながら、印鑑を忘れなくてよかったと思う。


お手洗いをすませてさらに待つこと30分。

10時半頃に回復室というベッドのある個室に案内される。今日処方される薬やら着替えのことやら荷物をいれるロッカーのことやらの説明を看護師から受ける。内診(子宮内の確認)はもうしないのかと聞くと、手術室でするとのこと。術着に着替えてさらに待つ。


11時頃、医師の回診。院長と自己紹介した気もするがよく聞き取れず。

カルテを確認しながら、「今日は14時頃に帰れます。もう少ししたら看護師がまた迎えにきます。何か質問は?」と口早にいって去っていく。


ベッドで横になって、スマホにダウンロードしていた本を読んでいたが飽きてしまった。Wi-Fiでもあればネット動画でも見たかったが、できないので息子の動画をみて気をまぎらわそうとする。が、新生児期の動画を見ると、ああもうこの時期の赤ちゃんを抱くことはないんだな、と寂しく思ってしまう。モノを握ることもできない、まだ完全に人になりきれていないような、でもこの上なく神聖な時期。


時折廊下から、ピッピッピッというモニターの音や、人の声や歩く音が聞こえる。

もうすぐかなと思うがまだ順番は来ない。12時を過ぎた。本当に14時までに帰れるのか?

これだけ時間が経つとまたお手洗いに行きたい気がしないでもない。けどその際は看護師を呼ぶよう言われていて躊躇していると、看護師が「(手術の)順番です」と部屋に来た。12時半にはなっていなかったと思う。


そこからはあっという間、トイレに行きたいと言い出す間さえなく、言われるがまま手術台にのり、足を上げて体を倒したが最後、瞬時に右腕には血圧測定のベルトを巻かれ、左腕には麻酔の針が刺された(ペンレスのおかげか、針が刺された感覚すらなし)。足も固定された。そして深呼吸をするよう言われ、尿の心配をしながら、1回2回と深呼吸。3回目くらいから記憶なし。


なんか不思議な夢をみていた。


その後、夢は突然切り替わり、「おろしまーす」とか「のせまーす」のような声とともに何人かが私の身体を抱えたりするような感覚。おそらく術後、私を台から下ろし車イス?にのせ、回復室のベッドに再び寝かせるまでの作業だったのだろう。自分では体を動かすこともできずというか意識が遠すぎて、夢の中のような一瞬の出来事だった。


その後も体が宙に浮いているような感覚。一瞬目覚め状況を理解しようとするものの、目の前がクルクル回る感覚があり、再び意識が遠のいた。何回かこれを繰り返しながら、赤ちゃんのように自分の指を認識するところからはじまり、いま自分はベットに横向きに寝ていて、目の前は壁で、嘔吐用のお皿が口元におかれていることまで理解した。そして、ああ手術はもう終わったんだろうなと思った。その途端、腹部の違和感を感じ、気持ちも悪くて、しばらくウーウーと唸っていたと思う。


そんな中、看護師が部屋にきて膣からガーゼを抜いてショーツを履くよう促して出ていった。14時頃だったような気がするが、覚えていない。看護師はその後、飲み物も持ってきてくれた。喉がカラカラだったのでああよかったと思った。


「もう準備できればいつでも帰れますよ」と言われたが、頭がクラクラで、とてもすぐ起き上がれるとは思えなかった。そして、再び眠りにおちた。麻酔、強すぎたのではないかしら、と勝手な素人考えを巡らせつつ。

その後、水のペットボトルを手に取るも、キャップを回す力が無い。諦めてまたウトウトしはじめた。


15時過ぎになって、なんとかショーツを履いて、水を飲み、隣においてあったクッキーも食べた。意識はしっかりしてきたが、まだふらつく。

ああ、サヨウナラ。私の子(の袋、なのかもしれんがまあいいではないか。)

褒められた妊活態度ではなかった。甘いものもスナック菓子もそれなりに食べたし、外食もたくさんした。それでもまあ、今日くらいは自分に甘やかして「よくがんばりました。」といっていいかしら。お疲れさま、と。

しばらく横になっていてもクラクラする気がする。もしかしたら貧血とか低血糖とか?と思い直し、クッキーを全て食べる。水ももっと飲む。うう、気持ち悪い。


良くなりそうにないが、そろそろ帰らないと、と支度を始めることにする。15時半。言われていた通り、ナースコールで準備できたことを知らせる。部屋に来た看護師によると、ふらつきも気持ち悪いのも麻酔の影響らしい。廊下を数歩歩いてみせるよう言われ歩くと、何とか大丈夫そうですね、となった。


会計は保険適用で18000円くらい。昔は高いと感じたのに今は、ああそんなものか、と思ってしまう。不妊治療よ恐るべし。あまりに弱々しい表情をしていたからだろう、ご気分いかがですか、と受付の方に心配されつつクリニックを後にした。近くの薬局で薬をもらって出たのが16時半。長い一日だったな。


帰宅しても、子どもの相手やら家事やらできる気がしない。明日の朝はちゃんと自転車に乗れるだろうか。雨かもしれないのに。あああ。

ああ、布団にぶっ倒れたい。弱っちい私だ。


すぐタクシーを捕まえようと思ったが、考えをかえた。気持ち悪いのに食欲がないわけではない。朝からクッキー三枚ぽっちじゃあ、と近くのカフェへ。おいおい元気じゃんと自らツッコミをいれつつ、カフェラテとピザのようなものを注文。

席に座っても首を動かすとふらつく感じ。以前なったことのある、耳石がずれて?眩暈がひどかった時に少し似ている。でもスマホをいじる元気はある。まあ一晩寝ればなおるだろう。

カフェで、昔の職場の同僚に似た女性を発見。個性的でお洒落なファッションと背格好が似ている。とはいえ、引っ越し前だから、ここから5時間以上かかる職場だ。こんなところにいるわけ無いか。そう思いつつ、でも知り合いにあうのはタイミング悪すぎなので、帽子を目深にかぶる。

そろそろ本当に帰ろう。


今日は、クリニックの待ち時間に暇を持てあまして書き綴ってきた(最後はカフェから)ので実況中継風になった。


ひとまずこれで投稿する。では。