がんに関する本の紹介 その6 | みうの 「悪性リンパ腫闘病記」 と 「どうでもいい日記」

みうの 「悪性リンパ腫闘病記」 と 「どうでもいい日記」

2009年9月に悪性リンパ腫ホジキンリンパ腫と診断され、一旦は寛解しましたが、2010年7月に再発してしまった人間の闘病記です。悪性リンパ腫とは「血液性の癌」のことです。同様の闘病をされている方のご参考になれば幸いです。

昨日読んだ本の紹介になります。
※長文ですので興味のある方のみ
 御覧ください。

■題名
末期がんを克服した医師のゲルソン療法のススメ ~ 5年生存率0%からの生還~
$みうの 「悪性リンパ腫闘病記」 と 「どうでもいい日記」

■概要
大腸がん、その後に転移性の肝臓がんにかかり、その当時
統計上5年生存率が0%となってしまった精神科医が選択した
治療法が「ゲルソン療法」をもとにする食事療法だった。

この本は、5年生存率0%という統計を覆し、がんと闘った
医師とその家族の絶望が希望に変わるまでを書いた感動の
闘病記である。

また、本書ではゲルソン療法を筆者独自にアレンジした
方法が具体的に記載されている。

■詳細
筆者のがん闘病の経緯、家族の支え等のエピソード
は省略します。(家族の支えは感動のエピソードなので
気になる方は本書を手にとると良いと思います。)

その他気になった部分を以下に列挙いたします。

・ひとつの性格分類法がある、タイプはA,B,Cの3種類。この中で
 タイプCはがんにかかる割合が高くなっている。
 
 タイプA 負けず嫌いで頑張り屋。
      勉強や仕事に熱心でいつも時間に追われている。
 タイプB 中庸を保てることが特徴。時間に対して切迫感を
      あまり感じることがなく、欲望や野心にそれほど
      執着することもない。
 タイプC 自分の感情を抑えがちで忍耐強い。悲しみや不安
      を感じても表情に表れることが少なく、自分の
       中に抱え込んでしまうタイプである。

・抗がん剤がすべてのがんに効くという科学的根拠はない。
 抗がん剤がある程度有効ながんは、子供の急性白血病、
 多くの小児がん、一部の卵巣がん、睾丸腫瘍、肺がんの
 一種の小細胞がん、子宮の繊毛がん、ある種の悪性リンパ腫等。
 これらを除いたがんへの効果は疑問。

・がんが成長するための栄養素とはゲルソンによると、
 塩分と脂肪、動物性のタンパク質である。
 この3つを出来る限り制御すれば、がん細胞が成長する
 ことはない。

・ゲルソン療法のプログラムのポイントは以下のとおり
 ①完全菜食
 ②にんじんジュースなど大量の野菜・果汁
  ジュースを1時間おきに1日13回、計2リットル
  以上飲むこと。
 ③厳格な無塩食
 ④カリウムやヨードの補給を行う
 ⑤穀物は未精白のものを摂ること
 ⑥コーヒーによる浣腸を一日4,5回行うこと。

・ゲルソン療法の効果は劇的に現れるものでは
 ない。少なくとも3ヶ月以上継続しなければ
 効果は期待できない。

・ゲルソン療法へのがんへの攻撃は大きく分けて
 3つある。

 ①がん細胞への兵糧攻め。がん細胞が必要とする
  栄養素を食事から排除する。
 ②がん細胞にとって居心地の悪い環境づくり。
  大量の野菜を摂取して代謝機能を高める。
 ③自然治癒力・免疫力の向上。ゲルソン療法では
  免疫力を高めるためにヨード剤の補給を推奨
  してる。

・免疫力向上のため、ゲルソン療法に基づく食事療法
 の他に尿療法を取り入れる。
 ※こちらははゲルソン療法ではなく筆者独自の
  治療法です。

・がんと闘うための強い意志があるかどうかで、治癒
 効果に大きな差が生まれる。
 また日本人は比較的諦めの早い人種と言われており、
 精神的に脆く達観することが美徳とされるところが
 あるが、欧米人はキリスト教のアイデンティティー
 (苦悩を受けた人間ほど尊い)があるため、
 がんを告知されても前向きに受け入れられる人が
 多いと言われている。

・がんに克つタイプが強い意志を持つ人なら、がんに
 負けてしまうタイプは依存心の強い人だと思う。
 手術するか否かを医者に任せる、家族に決めてもらう
 等。


■感想
全体的に本書から感じられたことは、筆者のがん闘病への
精神的な強さ。
医師ということもあるかとは思いますが、自分のおかれて
いる状況を加味して、治療法を他の医師に全て頼らず
自分で納得するまで調べているところは感服する思いでした。

ハードルが恐ろしく高いゲルソン療法を徹底すること、
そこにはご本人と支える家族の覚悟が感じられました。

また精神科医である筆者の言葉である下記の内容については
胸を打たれました。

「ゲルソン療法を行うにあたっては本人にがんを告知することは
 必須条件。
 私自身もがん患者の指導をはじめたころは、告知によって
 患者を落ち込ませることに危惧を抱いていた。
 しかし、自分の経験と照らし合わせるとひどく落ち込んで
 いてもきっと立ち直れるはずだという信念がある、
 事実、落ち込んでも多くの患者が立ち直ることができた。
 家族や他人が憂慮するほど人間の精神力は弱くはないと
 いうことだ。」

これはがんの告知を受けた人間にしか分からないことかも
しれません。

自分もこの1年くらいで
「がん告知」
「がん再発」
「大事な人に裏切られる」
という経験をしてどうしようもなく落ち込んだ時期が
あったし、そのまま立ち直れないのではと思ったこと
がありますが、自分の精神力の強さに驚いたくらい
その壁を乗り越えることができました。

人間の精神力ってすごいですよ、ええ。本当に。

以上です、興味があれば是非本書を。