もっさん、この日は松戸へ。
お相手はこの方でございます。

パディントン「ドーモ。A兄=サン、ご無沙汰です」
両さん「今日は宜しく!」

昨年末以来の登場となったA兄さんと、今回はこちらへお邪魔します。




「懐食みちば (かいしょくみちば)」さん。
2024年7月9日訪問。
12時入店。



松戸駅より程近く。
キテミテマツド」地下フロアにて営業の「懐食みちば」さん。

「和の鉄人」道場六三郎氏プロデュースによる「道場和食」が頂けるお店であり、事実上「銀座ろくさん亭」さんのネクストブランドです。

お目当てはいつもの平日ランチ。
6月よりは火曜日〜金曜日の週4回、1回転のみ。
毎月オンライン予約にはチャレンジしておりますが、今のところ成功率は50%というところです。

今回は2人分の席が予約出来ましたので、A兄さんをアテンドさせて頂きました。
相手が変わっても、一緒に行ってくれるのはオッサンばかりです⤵️⤵️⤵️
◯ 文月の昼席
オーダーは文月の昼席。
会席のフルコースより、強肴を略した全8品のランチコースです。



例によって、各卓にはお品書きがセット済み。
これを見ますとテンションが上がりますなあ!

両さん「やべえ緊張してきた」
パディントン「なんで???」

A兄さんは慣れない場にテンション降下気味です。
いや、何でや。

◯ 先附 引き立て一番出汁



毎度の事ながら、一番出汁の調理は一ノ谷シェフが自ら手掛けられます。
大きなお鍋にたっぷりと投入された鰹節。
ザル2枚に噛ませたペーパーでしっかりと濾していきます。


ブ厚い旨みにキレ味。
これ単体で一個のお料理として成立させる、絶妙な塩加減。
何より、香りが素晴らしい。
相変わらず完璧なスターターです。
◯ 前菜  4品盛り



前菜は6種4品の盛り合わせ。
食材は勿論、調理法もヴァラエティに富んだ構成です。
◯ もろこしつくね


とうもろこしは鹿児島県産のゴールドラッシュ🌽。
海老のすり身と合わせて揚げつくねに仕立てています。
海老のプリプリとした舌触りに、コーンの弾ける歯触り。
何より、ゴールドラッシュの甘みと海老の甘みがガッチリと噛み合っています。
コーンが大好物なもっさんには、クリティカルヒットでした!


傍に添えられているのはゴーヤの唐揚げ、昆布とお揚げのお浸し。
ゴーヤは掛けられた特製の味噌ダレは、胡麻油とオイスターソースを用いた中華風に。
タレひとつにも工夫が光りますなあ。
◯ 丸茄子の利休和え


柔らかく炊いた丸茄子は、胡麻ダレを敷いた利休和えに。



下には明日葉のお浸しを敷き、上へはお店特製の「鰹節ふりかけ」。
甘さと塩っぱさのバランス感たるや!
お酒よりも白飯を合わせたくなります!
◯ 鯖の棒寿司



鯖は酢で〆て棒寿司に。
皮目を炙って香ばしさを演出しています。
棒寿司で、こうした工夫は珍しいのではないかしら?
酢橘の香りがまたキマっています。
◯ 名物 クリームチーズ黄金焼き


問答無用の美味しさ。
お酒の誘惑に耐えるチャレンジ、はい、よーいスタート(棒読み)。
◯ 椀物 焼き穴子真丈




お椀は鰹出汁へ新蓮根を合わせた擦り流しです。
蓮根の擦り流しは初めて頂きましたが、こりゃ美味いものですなあ!


穴子は香ばしく焼き上げた後に、大和芋と合わせた揚げつくねに。
噛む度に口内へ染み渡る、旨みと香ばしさ。
穴子の長所が最大限に生かされています。



他の具材は水菜のベビーリーフ、冬瓜、じゅん菜、ヤングコーン。
ヤングコーンは炙って焦げ目を付けてあり、否が応でも焼きもろこしを想起させます。
お椀の中に再現した夏の風物詩。
いや、お見事です。
◯ 御膳盛り


コースのメインは刺身、焼物、煮物がいっぺんに登場。
当然、調理や盛り付けも一気呵成に行われます。

両さん「ど、何処を見て良いか分からん!」

誰だってそーなる。
もっさんもそーだった(笑)。
オープンキッチンから見える厨房内の様子は、みちばさんへお邪魔する際の醍醐味のひとつです。
◯ 刺身 鮮魚2種さらだ仕立



お刺身は平目と鰹。
青森県産の平目は塩昆布で和え、上から出汁醤油。
いくらも合わせたやや濃いめの味付けが、平目の淡白な旨味を引き立てています。


鰹は大根おろし、ポン酢、玉ねぎ、トマトから成る「道場流特製おろしダレ」にて。
鰹にトマトを合わせるのは初めて頂きましたが、甘酸っぱさが効いてサッパリと食べられますね。
これまた美味し!
◯ 焼物 トマトの姿焼き


焼物はトマト!
和食屋さんの焼物と言うには、あまりにも斬新なトマトのファルスです。
詰め物をしたトマトを、オーブンで焼き上げています。


詰め物は、鶏肉・海老・帆立・飴色に炒めた玉ねぎ、そしてチーズ。
チーズはモッツァレラとゴーダのミックスと見ました。
くり抜いた穴の部分は、柔らかく炊いた椎茸で蓋がされています。
鶏肉らの下味はコンソメと言う訳では無さそうです。
これも鰹出汁かしら?
チーズから具材へミルクの旨みが入ったところへ、鰹出汁の餡が全体をきっちり和のテイストに纏めています。
焼きトマト、ここまで美味いか!

両さん「お皿に残った餡を舐めたい」

みんな考える事は一緒ですな。
◯ 煮物 真鯛かま煮付け



煮物は真鯛。
脂の乗ったカマの部分をあら炊きにしています。
所謂「アラ汁」で食べた事はあると思いますが、鯛のカマを単品としてフィーチャーしたお料理を頂くのは初めてでした。
⁡脂が乗っており、実に美味し。



合わせる具材は牛蒡、秋葵、石川小芋。
ちょんと乗せた有馬山椒の爽やかさが、アクセントとして実に良き。
煮魚のお手本のような一皿です。

⁡ 両さん「この煮汁をご飯に掛けて食いたい」

みんな考えるk

◯ 御食事
お食事メニューは「本日の釜めし」と「冷やし胡麻だれうどん」よりの選択制。
前者は更に赤出汁かお出汁を付ける事が出来ます。
前回の訪問時にスタッフさんへお聞きしたところ、お食事メニューは追加料金で両方とも頂く事が可能とのこと。
今回は両方を行かせて頂きます。
◯ 冷やし胡麻だれうどん



先ずはおうどん。
うどんは稲庭うどんとの事ですが、もっさんの知る稲庭うどんよりも大分と太めです。



うどんは冷水で締めた上で、たっぷりの氷でキンキンに冷やされています。
「冷やし」を謳うお料理は、須くこうした冷たさであるべきですね。


うどんの茹で加減もバッチリ。
もっちもちのツルツルシコシコです。



胡麻だれがまた美味い!
甘みは抑えめで、胡麻のコクと風味を明確に感じられます。
塩気もまことに良い塩梅です。



具材には鶏チャーシュー、錦糸卵、わかめ。
うどん、つゆ、具材のいずれもクオリティ高く、そこらのうどん屋さんが裸足で逃げ出すレベルです。
◯ 本日の釜めし



うどんを頂いている間に、釜飯も配膳。
今回は桜海老の釜飯でした。



蓋を開ければ、桜海老が予想の3倍くらい敷き詰められています!
うわあ凄ッ!



両さん「桜海老、ヒゲとか殻が全く口にアタらないね?」
パディントン「そうっすね。下茹でで柔らかくしてあるんすかね?」
スタッフさんへお伺いしたところ、桜海老は予め低温の油にて揚げてあるのだそう。
それで歯触り良く、かつ柔らかなのですね。

また、身ごろのみならず、殻からの旨みも良く出ているように思います。
掛けた手間暇が、きちんと美味しさに変わっています。
ある意味で「調理」という行為の最大の目的を果たしているように思います。
素晴らしい!



またこの日の釜飯には「おまけ」として生シラスが追加されていました。
少量ではありますが、実に嬉しいサービスです。
◯ 水菓子 葛切り
毎回美味しく、季節を感じさせてくれるデザートも懐食みちばさんの大きな魅力のひとつです。
今回はお品書きに好物の葛切りとあり、テンション爆上げでした。




登場の葛切り。
8品コースの〆のデザートへ掛けられるコストは、決して多くは無い筈です。
それでいて、この器、この演出。
何処のお店でも出来るサービスかといえば、絶対に否! ですね。

お味の良さは勿論ですが、みちばさんのサービスの姿勢には
「料理は想いやり」
という、道場六三郎氏の考えが端的に反映されています。





葛切りは冷たく、ツルッツルのプリップリ。
きな粉が掛かっていましたので、黒蜜は浸け食べではなくそのまま掛けて頂きます。



この黒蜜がまた、香ばしくて実に旨し。
みちばさんは、何を作らせても玄人はだしです。
………せや!

◯ ホットコーヒー




例によってコース外でコーヒーを追加オーダー。
お砂糖の代わりに、残した黒蜜で黒糖コーヒーに。
おほほほ、こりゃまた美味し。









今回も素晴らしいお料理の数数に大満足。
お邪魔するたびに新たな発見・新たな感動があり、それがみちばさんの得難い魅力となっています。
またお邪魔します。
ご馳走様でした。