あっさり更新です。




「Fairground (ふぇあぐらうんど)」さん。
2024年5月4日訪問。
14時16分入店。

平日は午後3時より、土日祝は午後1時より開店のバー、フェアグラウンドさん。
食べ歩き後に即、飲んだくれられるのは有り難いですね。
またも、デザートワインを頂きます。

2回目の訪問では、2杯は銘柄を指定してトカイワインをオーダー。
もう2杯はバーテンダーの新宮氏にお任せします。
◯ トカイ&コー トカイ サモロドネ スウィート


生産国:スロバキア
地域:トカイ地区
品種:フルミント、リポヴィナ、ムシュカート・ズラティ
⁡製法:貴腐



初回にお邪魔した際、バーテンダーの新宮氏からおススメ頂いた貴腐ワインが「トカイワイン」。
ハンガリーとスロバキアの2国に跨るトカイ地区産の貴腐ワインです。
前回頂いたのはハンガリー産のトカイでしたので、今回はスロバキア産をお願いしました。

1杯目はトカイ&コーのサモロドネ。
サモロドネは「自然のまま」といった意味合い。
通常、貴腐ワインを造る際には貴腐菌のついたブドウとそうで無いブドウを丁寧に選別しますが、この選別を行わないのがサモロドネ。
故にヴィンテージによって、味わいは異なってくるそうです。



のっけから、ゴールドを通り越してアンバー。
白ワインとは思えない色味。
味わいもそれに比例して濃厚です。

後味にはリンゴを思わせる爽やかな酸味が効いて、度数を感じさせない軽い口当たり。
カパカパ飲めちゃうキケンな奴です。
◯ トカイ&コー トカイ セレクション 6プットニョヴィ 2003



生産国:スロバキア
地域:トカイ地区
品種:フルミント、リポヴィナ、ムシュカート・ズラティ
⁡製法:貴腐



⁡続いても同じくトカイ&コーから。
Wasshoi!
泣く子も黙る「6 プットニョヴィ」が、決断的にエントリーだ!

「プットニョヴィ」はハンガリーで言う「プットニョス」。
これはワインひと樽( = 136L)に用いた貴腐ブドウの量を示す単位でした。
1プットニョス = 約25kgであり、6プットニョスならば150kg分の貴腐ブドウを漬け込んだ計算となります。

現在(2013年以降)では、トカイワインの甘さは残糖度によって区分される事となり、商品名としては残るものの単位としてのプットニョス・プットニョヴィは廃止されています。

因みに、このトカイ セレクション 6プットニョヴィの残糖度は150g/1L。
ヨーロッパの殆どの国に於いて、辛口(ドライ)ワインの基準が残糖度4g/1L以下ですから、相当に甘口な貴腐ワインである事が分かります。



もっさんの感覚では、完熟したハニーグロウパイナップルや、台湾のブランド物マンゴーのような濃密な甘さ。
先程のサモロドネよりもやや度数は低いのですが、アルコールのキックは強まったように感じました。
甘みや酸味は勿論のこと、舌へ入ってくる旨みの情報量が増しているからだと思われます。
ひと言で表せば「凄い」ですね。
◯ ドメーヌ キレンブール ミュスカ ヴァンダンジュ タルディヴ 2018 



生産国:フランス
地域:アルザス
品種:ミュスカ
⁡製法:レイトハーヴェスト



次いで新宮氏のセレクトは、新入荷のA.O.C. (原産地統制呼称)アルザス認証を受けたフランス製デザートワイン。
ワイナリーはドメーヌ キレンブール。

商品名のヴァンダンジュはフランス語で「収穫」、タルディヴは「遅い」。
意味合いとしては単に「遅摘み  ( = レイトハーヴェスト)」ですが、この言葉をワインの商品名に付ける場合、A.O.C.アルザス若しくはA.O.C.アルザス グラン クリュ認証ワインにのみ用いる事が可能です。

即ちヴァンダンジュ タルディヴという語句そのものが

「様々な品質規格をクリアした、アルザス地方のレイトハーヴェストワイン」

である事を示す、一種の称号・看板となり得る訳です。
ワインについては全く知らない用語の連続で、毎回勉強になります。



さて、その味わいは。
マスカットが真っ直ぐに来て、スパーン! とストレートパンチ!
白ワインのモスカートとは、ひと味違う力強さがあります。

マスカットは日本で言えばひと房数千円のシャインマスカットでしょうか。
もう、ひと口で「エエ奴やん」と分かるレベルの美味しいブドウです。
酸味・甘み・コクにキレ味も兼ね備えた万能選手。
これは良いですなあ。
◯ ドメーヌ キレンブール グランクリュ シュロスベルグ セレクシオン ド グランノーブル ピノ・グリ 2018



生産国:フランス
地域:アルザス
品種:ピノ・グリ
⁡製法:貴腐



4杯目は同じくドメーヌ キレンブールのAOCアルザス グランクリュ認証ワイン。


ピノ・ノワールがチェリーならば、ピノ・グリからは白桃を感じます。
シロップのような極甘口ながら、喉越しがとても滑らか。
全く引っかかりの無い、スムースな飲み口です。
お会計の後で新宮氏から、このボトルが日本にあと1本しか無いレア物と聞いてブッ魂消!!!
貴重な経験でしたが、先に言ってくれればもう1杯飲んだかも(笑)。
◯ 自家製ドライフルーツ


今日のおつまみはドライフルーツ。
ブドウやオレンジは兎も角、キウィ🥝のドライフルーツは中々に珍しいかと。



乾燥される事でオレンジは甘みが、キウィは逆に酸味が強く主張して来ます。
この差は中々に興味深いですね。
酸っぱくてうまし。



レーズンはやや汁気を残した、半乾燥とでも言うべきタイプです。
強い甘みと果実のフレッシュさを両立しており、中々にうま……

……い筈なのですが!
食器について、大いに問題あり!



⁡このお皿はスチール製。
態々これを選んだのは、見た目やデザイン性を重視されたものか?
その点は定かではありませんが、所々に錆が浮いた状態のものを用いています。

結果、レーズンの汁気がスチールや錆の「金臭さ」を持ち上げてしまっており、味わいが台無しに。
恐らくは、この状態での試食をしておられないのでしょうね。
正直なところ、飲食店としてカネを取れるレベルのサービスには値しませんでした。

フェアグラウンドさんでは多数のお摘みやお料理の用意があるのですが、もっさんは暫くお酒だけしか頼まないでしょう。
そちらは十二分に魅力的ですので、また寄らせて頂きます。
ご馳走様でした。