新御徒町にて軽く食事を摂ったもっさん。
お次へ向かいます。

春日通りを西進し、広小路にぶつかったら北上。
仲町通りの交差点に差し掛かりますと、目的の建物が見えて参りました。




「洋食 黒船亭 (ようしょく くろふねてい)」さん。
2024年4月27日訪問。
13時31分入店。

創業は明治35(1902)年。
120年以上の歴史を持つ「黒船亭」さん。
明治から令和まで4代を跨ぐ、堂々たる老舗です。

最初期は鶏料理が売りの料亭「鳥屋」さんとして開業。
その後はハヤシライスや輸入酒等を提供する大正モダンの「菊谷カフェ」さん、本格中華料理店「雨月荘」さんなど、震災や戦災を経て、店舗の場所や業態を変えて行きます。

昭和44(1969)年には現在の場所へ自社ビルを建て、4階にステーキハウスとフランス料理のお店「レストランキクヤ」さんがオープンしました。

昭和61(1986)年。
フランス料理のエッセンスを引き継ぎつつ、洋食店へとリニューアル。
店名も今の「黒船亭」さんへと改められます。
洋食店時代だけでも、もうすぐ40周年を迎えられますね。



⁡エレベーターで4階へ上がると、すぐ店内です。
因みに上野駅方面から向かう場合は正面入り口が隠れていますので、1階のマツモトキヨシさんが良い目印になります。

もっさんの現着時点で店内は満席。
10分程待っての着席でした。

◯ 本日のランチ:オムライス、カニコロッケ
もっさんのオーダーはオムライスとカニコロッケ。
訪問前からの決め打ちでした。

尚、黒船亭さんの名物は1週間以上かけて仕込まれるデミグラスソース。
故にこちらを用いたハヤシライス、ビーフシチューが人気のようです。
次回以降の宿題ですね。

◯ カニコロッケ




お先に配膳はカニコロッケ。
奥ゆかしい俵型で、やや大きめの個体です。



おっ?!
フォークを刺す指に、ずっしりとした重量感が伝わってきますぞ!


中にはずわい蟹がたっぷり!
重量感の正体はこれですね。
また、マッシュルームを始めとしたキノコが3種類程入っており、香りと食感にアクセントを齎しています。

濃厚かつ滑らかなベシャメルへは蟹とキノコの旨みがバッチリと移っており、3者が一体化しています。
これはキマっていますねえ〜〜〜!
とっても贅沢な味わいです!


トマトソースの酸味がまた実に良き。
薄めに付けた衣と相俟って、食べ口の軽さを演出しています。
また、ワンランク上の高級感も感じさせますね。
素晴らしい美味しさ!

◯ オムライス




⁡そして、オムライスの配膳です。

タイプ:つつみ型
ソース:ケチャップ
ライス:トマトソースチキンライス



こちらも古式ゆかしい包み型。
オムレツの黄色に、たっぷりなケチャップの赤がアイコニックですね。
チキンライスはブイヨンで炊き上げ、具材やトマトソースと炒め合わせたもの。
恐らくは、カニコロッケと同じトマトソースを用いているものと思われます。
お米の一粒ひと粒にお出汁とトマトソースの旨みがしっかりと入っており、ご飯だけでも頭抜けて美味しい!

またケチャップで炒めたチキンライスと異なり、甘さやベタ付きが抑えられています。
やや薄味なところを含め、上品で洗練された味付けです。



オムレツの上にはたっぷりとケチャップが掛けられていますので、内外からトマト味の挟み撃ち。
もっさんはいつものルーティーンに従って、ケチャップを手前半分にのみ塗り広げ、味の濃淡を付けながら頂きます。


特筆すべきはその具材で、大ぶりな鶏肉やエビがドカっと入っております!
海老はご覧の通りですし、鶏肉は直径3cmくらいの切り身でした。

また玉ねぎや人参、キノコ類は厚さ1mm・幅10mm角位でスライスされています。
チキンライスに用いる野菜はみじん切りが一般的。
海老や鶏肉同様に、かなりな大ぶりと言えるでしょう。
ここまで具材の存在感が際立ったオムライスを、もっさんは初めて頂きました。
非常に個性的ですし、何より美味しいです!

◯ ラ・レーヌ
◯ カフェオレ





食後のデザートにはクリームブリュレ「ラ・レーヌ」をお願いしました。
合わせて、ドリンクはカフェオレと洒落込みます。



卵の旨み・甘みを活かしたプレーンな味わい。
前身であるフランス料理店時代を彷彿とさせる、クラシックかつ正統派の美味しさです。





歴史と伝統に裏打ちされた、確かな技術と高いデザイン性。
加えて、サービスの細やかさ。
黒船亭さんの存在は「日本的洋食そのもの」と言っても過言ではありますまい。

お次は矢張りハヤシライスかな!
ご馳走様でした。

※余談
もっさんの「推しオム」は、下記の4軒で頂いたものです(他に「殿堂入り」がもうひと皿あります)。

「グリル満天星 麻布十番本店」さんの『オムレツライス ドゥミグラス』



「麻布食堂」さんの『オムライス ケチャップ』



「ルー・ド・メール」さんの『ビーフオムライス』



「洋食 三浦亭」さんの『オムライス』



もっさんは彼らをして「オムライス四天王」と称していたのですが、本日から黒船亭さんを加えて

「オムライス五虎大将軍」

にクラスチェンジして貰います。