六本木にて美味しいカレーを頂いたもっさん。
食後のデザートタイムと洒落込みます。

六本木ヒルズから外苑東通りを北上して乃木坂へ。
乃木坂駅で電車へ乗り込み、向かった先は下北沢です。




「Fairground (ふぇあぐらうんど)」さん。
2024年4月21日訪問。
13時40分入店。

下北沢駅より目と鼻の先にある複合商業施設「ミカン下北」。
建物は京王井の頭線の高架下と、歩道を挟んだ向かい側の2棟。
更にそれぞれが東西で別れた、計4エリアで構成。
ミカン下北のテナントには飲食店が多く入っており、中には行列を作る人気店もあります。



お邪魔しましたのは、北棟D街区2階にて営業の「下北沢ワインショップ」さん。
名前の通りワインを中心とした酒屋さんです。




店内右奥の大きな扉を潜った先が今回の目的地、バーのフェアグラウンドさんでした。

同店の運営元はアズザクロウフライ社。
都内にバーを8店舗、この下北沢を含め酒屋さんを4店舗経営。



バーの各店舗はウィスキーをメインコンテンツとしながら、それぞれに付随するサブコンテンツを尖らせているのが特徴的。
今回お邪魔したフェアグラウンドさんならば、下北沢ワインショップさん共々「デザートワイン」を推しています。

半年間くらい、なんだかんだでプチ禁酒を続けておりましたもっさんですが。
その甲斐あってか、先日の血液検査の結果はオールOK!
は? 善玉コレステロール?
知らない子ですね……。
と言う訳で、久々に飲みに来ました。

⁡折しもデザートワインを勉強したいと思っておりましたので、うってつけなお店です。
バーテンダーの新宮氏にご相談し、デザートワインの代表的な製造法別に4種をセレクトして頂きました。
◯ フリードリヒ ベッカー / ピノ・ノワール アイスワイン 2018



生産国:ドイツ
地域:ファルツ地方
品種:ピノ・ノワール
⁡製法:アイスワイン



デザートワイン事始めはドイツの「アイスヴァイン」からスタート。
寒冷な土地で育てたブドウを凍った状態で収穫、そのまま圧搾して作るワインと聞いております。



お酒というよりは、濃縮還元のジュースに近いような甘酸っぱさ。
ははーあ、これがデザートワインかあ。
一般的な白ワインとは、正しく「モノが違い」ますね。

ブドウは黒ブドウの代表的な品種のひとつ、ピノ・ノワール。
このワインは「ブラン ド ノワール」と呼ばれる、黒ブドウから作った白ワインです。

ピノ・ノワールの特色として
「チェリーやイチゴなど、赤系の果実味が連想される」
と聞いておりましたが、白ワインでもバッチリとチェリー味!
これはド素人のもっさんにも分かりました。
甘さと酸味のバランスが良く、とても飲み易い。
スターターに相応しいですね。
◯ グリーンソングス レイトハーヴェスト リースリング



生産国:ニュージーランド
地域:ワイララパ
品種:リースリング
⁡製法:レイトハーヴェスト



2杯目はグリーンソングス。
ニュージーランドでブドウの栽培・ワインの醸造を行っておられる日本人醸造家、小山浩平氏の手によるワイン。
製法はブドウの収穫を限界まで遅らせ、糖度を高めるレイトハーヴェスト。
先程のアイスヴァインが7.5度に対し、こちらは9度。
アルコール感もしっかりと感じられます。



その甘みはジュースから大きく進んで、最早シロップの様相を呈しています。
甘みと共に酸味の主張もしっかりとあり、バーテンダーの新宮氏曰く、その味わいは「オトナの蜂蜜レモン」。

もっさんはどちらかと言えばグレープフルーツだと受け取りました。
白ブドウから柑橘系の香りと甘酸っぱさや苦味を感じるのですから、面白いものですなあ。
◯ セルペンス トカイアスー 6プットニョス 2017



生産国:ハンガリー
地域:トカイ地区
品種:フルミント
⁡製法:貴腐



3杯目はいよいよデザートワインの代表格、貴腐ワインにチャレンジ!
「世界三大貴腐ワイン」のひとつ、ハンガリーのトカイ地区産の貴腐ワインを頂きます。



グラスへ注がれた瞬間から発せられる「只者では無い」感ッ!
色味がもうね、もっさんの知る白ワインのそれとは全く異なりますよ。
プットニョスというのは、ひと樽の中に使用したブドウの量から算出される「糖度」の単位だとか。
その中でも、6は相当に高いそうな。
これはもう思いっきり蜂蜜!
それも一般的なレンゲやアカシアの蜂蜜ではなく、マヌカ蜂蜜のような甘さとスパイシーさを感じます。
蜂蜜を追いかける酸味は、青リンゴでしょうか。

これも美味いなあ〜〜〜!!
この日の白眉でした。
◯ ファットリア ディ ピアッツァーノ / ヴィン サント ビアンコ デッレ エンポレーゼ 2008



生産国:イタリア
地域:トスカーナ
品種:トレッビアーノ、マルヴァジア、サンコロンバーノ
⁡製法:ストローワイン



ラストの4杯目はストローワイン。
イタリアのトスカーナ地方で作られる伝統的な甘口ワイン「ヴィン サント」を頂きます。
製法の「ストローワイン」は陰干しワインとも言うようですが、当ブログでは一旦、ストローワインにて統一します。
収穫したブドウを藁(straw)の上で乾かしてからワインを作る為、ストローワインと呼ばれるそうです。
ものっそい大雑把に言えば、干しブドウから作るワインですね。



こりゃまーーた、凄い色味!
念の為、これは白ブドウから作られた白ワインです。
もっさんが何度も確認しましたから、間違い無い(笑)。

これを例えるならば、何だろうなあ〜〜?
シロップやら蜜やらとは、まるで別の次元に居る味わいです。

木樽の熟成感が前に出ており、どっしり重っおも。
無論、かなり甘いです。
もっさんは甘さの中に渋さや酸味も感じる飲み口から、紹興酒の「三国演義18年」に良く似ていると結論付けました。
美味い、でも不思議!
◯ オレンジのクレームドブリュレ
デザートワイン推しだけでも、かなり珍しい存在と思われるフェアグラウンドさん。
更に、甘口ワインと甘口スィーツのペアリングを推しておられます。

ほーん???
その組み合わせは聞いたこと無い、聞いたこと無くない?
もっさんは甘いものに合わせるドリンクっちゅーと、渋めのお茶とかコーヒーくらいしか思いつきませんでしたわ。

甘党のもっさん、そうと聞いては捨ておけませんぞ。
クリームブリュレをお願いします。



こちらがクレームドブリュレ。
プディング生地には甘く漬け込んだオレンジピールが含まれており、オレンジソースと合わせて内から外からオレンジが香ります。
卵の甘さの中にフッと差し込む甘酸っぱさが実に良き。
 


このクリームブリュレが端的に示している通り、スィーツとフルーツの相性の良さは分かりきっています。
畢竟、スィーツには甘くフルーティなワインも合わせられる。
フェアグラウンドさんのデザートワインとのペアリングは、そうした理論なのだと思います。

味わいそのものはとても興味深いのですが……。
もっさんにとってクリームブリュレとは

「キャラメル層とプディングを、同時に味わうお料理」

であると認識しています。



翻ってこのクリームブリュレ。
恐らく底面を外せるセルクルか何かに入れて焼いているのだと思いますが、容器から出された状態での盛り付けです。
キャラメル層は相応に硬いので、これを割ろうとすると、プディングがデロリンと横へ流れてしまうんですよね。



故に、キャラメル層とプディングを一緒には食べ辛いです。
おにぎりから態々海苔を剥がして食べるような違和感、と言えば伝わり易いでしょうか。
あくまでもっさんの嗜好ですが、再度オーダーしたいとは思いません。





と言う訳で、もっさんには珍しくお酒メインの記事をお送りしました。
フェアグラウンドさんには定期的に通って、デザートワインの勉強をさせて貰うつもりでおります。
またお邪魔します。
ご馳走様でした。