もっさん、この日は麻布台ヒルズへ。
同施設へは昨秋の開業以来、これが初訪問となりました。
高層建築は必ず写真に収める、田舎者の鑑ムーブ。



麻布台ヒルズには、もっさんも注目しているお店がいくつか入っております。
新規開業の施設ですから、もっさんのみならず、世間様からの注目も集めるのは自明の理。
話題になったお店はオンライン予約も中々に難しかったようですし、未だにぜ〜〜んぜん予約の取れないお店もありますね。

今回お邪魔したお店も昨年末や年初は予約が取り難かったのですが、3月末には少し落ち着いたようです。
以前よりファンだったお寿司屋さんへの「初訪問」でございます。





「鮨麻布 (すしあざぶ)」さん。
2024年4月8日訪問。
11時入店。


鮨麻布さんは元々、日比谷にて「鮨 大いにおまかせ」という店名で営業していました。
もっさんは大いにおまかせさんへ1度お邪魔して大ファンになり、続け様に2度お伺いしました。

鮨麻布さんの運営元は、国内外にてホテルやレストランの経営を行うプラン ドゥー シー社。
同社の所有する寿司屋さんは、N.Y.に「Sushi Azabu」、マイアミに「AZABU Miami Beach」があり、両店ともミシュランのひとつ星を獲得したそうです。



麻布台ヒルズへの移転に伴い、施設名の麻布と自社ブランドのAzabuを掛けて「鮨麻布」に改名されたという経緯です。

因みに麻布台ヒルズ公式サイト等では

「ニューヨーク・マンハッタン、フロリダ・マイアミビーチでミシュランの1つ星を獲得した本格江戸前鮨『AZABU』の本店」

⁡と喧伝されております。

自社ブランド内での経歴ロンダリング看板の掛け替えとは言え、後から生えてきた「日本本店」には苦笑を禁じ得ません。
まあ、知っている人はクスりと笑える小ネタだということで。

◯ 本日のランチ:かるくおまかせ

オーダーはお昼のおまかせコース。
お刺身やお摘みを含む全14品です。



全席カウンターですので、お料理は1品ずつの提供。
寿司盛り板には1枚ずつ直上からLED照明が当たっており、スマホ等での撮影を前提としたお店作りと思われます。
◯ 刺身 ブリヒラ




コースはブリヒラのお刺身からスタート。
ブリとヒラマサのハイブリッド
噂には聞いていましたが、頂くのは初めてでした。
ブリには無いコリっとした歯応えが面白いです。
これは旨いもんですなあ〜〜。
◯ 握り 真鯛 昆布〆




握りは鯛からスタート。
塩に酢橘のあっさり味が、白身の淡白な旨みを盛り立てています。


◯ 握り 鰆




鰆はシャリを覆うような大きめの切っつけ。
もっさんのような素人にも、熟成を経て旨みが引き出されているのが分かります。

◯ 握り 椎茸の炙り




炙った椎茸の握りは、大いにおまかせ時代から続くスペシャリテ。
移転を機にシャリは白酢から赤酢へと変えられましたが、そのシャリに椎茸の旨みがとても良く調和しています。
故に、今の鮨麻布さんを象徴する握りと呼んでも良いかと思います。

◯ 握り 鮪赤身 漬け




3貫目で大きく変化を付け、4貫目からはいよいよ中盤戦に突入。
赤身は思わず「美味いッ」と感嘆が漏れる、完璧な漬け具合です。
◯ 握り いくら軍艦




いくらは上から軽く柚子皮を削り掛けるひと手間が、非常に効果的。
濃厚な魚卵の後味に、スカッとしたキレを齎しています。

◯ 焼物 焼き胡麻豆腐




驚かされたのはこちら。
焼き胡麻豆腐です。

練り胡麻を葛粉ではなく蕨粉で練り合わせており、強い粘り気は普通の胡麻豆腐とは一線を画します。


胡麻豆腐に上から煮切りを塗り、敢えて熱した石皿へ垂らす工夫もお見事。
登り立つ焦がし醤油の香ばしさに、店内から歓声が上がっていました。

◯ 握り 金目鯛




金目鯛は炙りで皮目と身ごろの差を際立たせています。
紅白のコントラストが堪りません!
◯ 握り 中トロ




やや筋が見えますが、仕事が入れられており全く気になりませんでした。
◯ 握り 小肌




小肌は酸味やや強めの〆具合。
もっさんの好みにどストライクです。
◯ 握り トロたく




巻物の印象が強いトロたくですが、麻布さんでは丸っこい握りに。
通称、鮪のおはぎ。
これも、日比谷時代から続くスペシャリテです。
鮪のたたきのねっとり感に差し込んで来る、沢庵のポリポリ感が実に良き!
◯ 手巻き 鮪と江戸前ハーブ

前店ではランチコースの〆をいくらの小丼が担っていましたが、今回は軍艦にて登場済み。



さあ何が出てくるかとwktkしておりましたら、随分と独創的な巻き物が手渡されましたぞ!!



曰く「鮪と江戸前ハーブ」。
写真では分かり辛いですが、鮪は赤身と中トロの2種を使用しています。
中側に中トロを配して巻いた後、トップへ高さを出して赤身を盛り付け。

彩を添えているのは10数種のマイクロハーブ。
鰹節・煮切りを合わせて味付けしたものをたっぷりと入れて巻き込んでいます。

板さんによると、一般的なマイクロハーブは水耕栽培のところを、こちらのマイクロハーブ群は土栽培との事。
確かに味も香りも濃く、鮪の旨味へ伍していました。
敢えて大葉やカイワレといった定番をハズしハーブを用いた事で、味わい・食感共に、極めて大きなインパクトを齎しています。



言うまでも無く、デザインは花束の見立て。
アイスクリームやクレープに使うような紙のコーンに入れる事で、更なる花束感と、他に無いオリジナリティが演出されています。

これは麻布さんの良い名物になる事、間違いなし!
この日の白眉でした。
◯ お椀 赤出汁




お椀は三つ葉と茗荷の赤出汁。
茗荷のシャキシャキ感と香気が、口中をサッパリとリセットしてくれます。
◯ 焼物 玉子焼き



コースの大トリは玉子焼き。
こちらもお寿司屋さんの定番であるふんわり食感には仕上げず、卵の素材感を活かした蒸し焼きに。
畢竟、味わいも食感もクラシックな硬焼きプリンです。


仕上げには和三盆を散らしてのキャラメリゼ。
いや、これも一周回って斬新ですな!





目新しさと定番、硬軟織り交ぜての14品。
若い職人さん方の仕事も丁寧、お値段もお手頃となれば、そりゃ人気も出ますよね。




尚、お昼のおまかせは4月8日現在、オープン特別価格で提供中。
オンライン予約が必須とは言え、開店当初に比べれば大分と取り易くなりました。
今、もっさんがイチ推しのお寿司屋さんです。
ご馳走様でした。