もっさん、この日は南千住へ。
乗り換えで使った事があるかな、ないかな? くらいの記憶しか無く、日比谷線を南千住駅で降りるのは今回が初めてでした。

この日のもっさんは、朝から「鰻」の気分。
折角なら、美味しいものを頂きたいですよね。

と言う訳で、自宅を普段の出勤と同じ時間に出発。
久々に開店待ちのガチ並びと洒落込みます。




「尾花 (おばな)」さん。
2023年6月23日訪問。
11時30分入店。

都内屈指の有名鰻料理専門店「尾花」さん。
鰻にはド素人のもっさんですら

「東の尾花、西の野田岩」

と謳われる名店ぶりは聞き及んでおります。
当然人気も高く、開店前に売り切れ御免はザラにあるとか。



初訪問でしたので、不安混じりにお店へ向かいます。
線路沿いの道を歩いて行くと、閉じたシャッターにデカデカと尾花さんの名前がありました。
お、ここですな。

この日、もっさんの現着は開店の約2時間前の9時31分。
人っ子ひとり居らず、狙い通りのシャッターポールポジションです。

9時38分ころ、2番手の並びが到着。

9時40分ころ、勝手口の木戸から中居さんが出ていらして、人数の確認が行われます。

10時ころ、焼き物のオーダーが取られます。
鰻の数に限りがありますので、鰻重、蒲焼、白焼はお土産も含めて、追加注文は不可となります。

10時7分ころ、1巡目が埋まります。
現在の尾花さんは席数を減らし、2人掛けのテーブル10脚での営業。
1巡は最大で20名が入れる計算になりますが相席はしませんので、この日の1巡目は16名でスタートでした。
平日で1巡目狙いならば、10時前にお店へ着いておく事を推奨します。



10時40分。
この日のランチタイムの受付終了を示す看板が出されました。
人数から考えて、ランチに用意の鰻は35〜40尾というところでしょうか。
何れにせよ、開店の50分前に売り切れとは流石の人気です。





11時29分。
入り口のシャッターが開き、待ち客は順番に敷地内へ入ります。
今や少なくなった、日本家屋の立派な店構え。
敷地内にお稲荷さんがあるような飲食店も、然う然うに有りませんでしょう。

11時30分。
定刻通りに入店です。
さあ、鰻を頂きましょう!

◯本日のランチ:うな重(大)、きも吸、うざく、う巻、ビール中瓶

⁡飲み物とお摘みをお願いして、鰻の出来上がりを待つ事にします。
尚、この日はお摘みメニューのうち、焼鳥の提供がありませんでした。

◯ ビール中瓶



何せ暑い中を並んだので、取り敢えずは水分補給からスタートです。




中瓶はアサヒ、キリン、サッポロからの選択。
アテにお新香付きです。

◯ うざく


お摘みは定番のうざくから。



うざくと言うと、5mm幅くらいにカットした鰻が出て来るものだと思っていましたが……。
なんか鰻のカットがデカい、デカくない?
これは嬉しいサプライズです!


⁡三杯酢は蜂蜜仕立て。
かなり珍しい手法かと思います。
鰻の淡白な旨みに、強い甘みと酸味が混じり合ったメリハリの効いた味付け。
菊の苦味が程よいアクセントに。




鰻は常温でも柔らかさをキープしており、シャキシャキな胡瓜の歯触りとコントラストを生じています。
メチャメチャ美味しい!

◯ う巻


お摘みの2品目はこちらも鰻屋さんの定番、う巻をお願いしました。




焦げ目の全く無い美しい玉子焼きの間には、ミンチ状の鰻がたっぷり!
先のうざくと合わせたら、2品で鰻1本分に届きそうですね。



う巻単体で味付けは完成されていますので、タレはほんのちょっぴりだけの提供。
甘みの主張がグッと全面に出ており、味わいに変化を付けられます。
正面、タレが付いてこなくとも全く問題ありません。



甘辛く煮付けられた鰻が美味いんじゃ〜〜〜。
否が応でもお酒が進む、まことに良い塩梅の塩加減。
すいません、ビールもう1本。


◯ うな重(大)




入店してから30分。
並び始めて2時間30分。
遂にうな重とのご対面でございます。





では仕ります。
ぱかんと。


これはお美事な焼き色!
もっさんは普段から鰻を食べ付けている訳では有りませんが、これほどに焦げ目を出さない蒲焼きは初めて頂きます。





頂く前の準備をしましょう。
お重の奥側の鰻をぺろんと捲りまして、鰻とご飯の間に粉山椒をパラパラと。
反対側も同様に仕込んでおきます。


身ごろはふわっふわ!
うざくの鰻もかなり柔らかかったですが、熱々の蒲焼きは更にその上を行く柔らかさ!
舌先で容易く解れる食感が堪りません。

そして、蒲焼きと言えばタレ!
タレは甘みを抑えてあり、強く醤油の存在を感じる辛口タイプ。



時期からか蒸し焼きでしっかりと落としてあるからか、脂はやや軽めに感じました。
辛口のタレと相俟って鰻の力強い旨みがはっきりと感じ取れ、かつ後味にキレが演出されています。
旨いッッッ!
もっさんは自他共に認める甘党ですので、これまで鰻のタレは「こってり甘口派」だったのですが、「あっさり辛口派」に宗旨替えを宣言します!
それくらいに、素晴らしい美味しさでした!

◯ きも吸



お吸い物の具には麩ではなく、玉子豆腐入り。
これも珍しいんじゃないかしら?
あっさり薄味なお出汁に良く合っていました。



当然エイリアンさんもご在宅。

「!? これホントに食いもんスか?」

S君、いつも友情出演ありがとうございます。



⁡うな重にセットのお新香は、軽くお醤油を振ったストロングスタイル。
いつも通り残しておき、食後に熱いお茶と一緒に頂きます。


これ迄に頂いてきた鰻の中でも、間違いなく最上位クラス。
2時間待ちの価値は十二分!
成る程、名店と呼ばれる道理です。
ご馳走様でした。