■巻誠一郎選手のロシア近況インタビュー抜粋
――まず移籍の経緯から教えてください
アムカル・ペルミからオファーが来るのと同じタイミングでジェフから「契約しない」と言われました。「チームを若返らせたいから、今後のゲームに使う気はない」と。そういう状況だったし、(アムカル・ペルミからのオファーは)いい話なんで前向きに考えました。今のクラブは日本との関係を重視していて、何人かリストアップして映像を見て僕に決めたらしいです。オシムさんの推薦ってことじゃないみたいですね。
――アムカル・ペルミには8月上旬に合流したんですよね
2日に来て、3日からトレーニングして、7日のゲームに出ました。長い間、試合に出ていなかったし、ゲーム勘と体力的にきつかった。空回りしていた部分もありましたね。ロシアのサッカーは全く分からなかった。前からプレッシャーを掛けようとしても後ろが全然ついてこないとか、逆にここは止まるところかなと思ったら前から行けって言われるとか、そんな難しさがありました。
日本との大きな違いはピッチですね。ホームもそうですけど、人工芝が多くてボールが弾む感じも全然違います。それに練習着にしても、スパイクにしても、日本みたいに全部用意してくれるわけじゃない。これまでとの違いは確かにあります。
――家族と離れて単身で挑戦しているので、生活面でも困ることが多いのでは
食事はスタジアムで食べられます。自分でも炊飯器は持ってきているし、朝はご飯とみそ汁とかを自分で作っているから問題ないです。この国では銀行に行ってもすごい時間がかかったりする。1~2週間で口座ができると言われて1カ月かかったりね。だけど、もともと僕の中でのロシアという国はそんなにすべてが整っていない印象だったし、ある程度、割り切って来ましたからね。ペルミの町は治安もそんなに悪くないし、人も穏やかです。一度、道の真ん中で車が止まった時もみんなで押してくれて。「スタンドまで行くぞ」って。そういう温かいところもあります。
――最初のアンジ・マハチカラ戦の後は、先発と控えを行き来しています
海外では結果が一番大事。自分は結果を出せていないんで、今はチャンスを再び待たないといけない状況です。そういう中でも自分のプレーをやり続けていかないとね。
――巻選手の役割は
主にシャドー的なFWですね。守備の時は頑張って戻って、攻撃の時は前に出る感じで、“汗かき”ですね。8番(ボルコフ)とポジション争いをする形になっていますが、彼はパス出しに長けたゲームメーカー。タイプが全く違います。このチームにはパサーが少ないんで重宝されていますね。自分はたまにターゲット役の1トップもやります。監督から見れば“使い勝手のいい選手”でしょうし、それが生きる道かなと思いますけど。
――早く初ゴールが欲しいところですね
その部分で僕は最初、失敗しました。今、あまり試合に出られないのもそれが原因。合流してからの準備時間が短すぎたこともあるけど、サッカー選手は目の前の環境を受け入れないといけない。そこで結果を出せなかったんで、もう一度チャンスを待たなければいけないってことですね。
――ロシアでのプレーの難しさはどんなところですか
やっぱりフィジカル。欧州の中でもかなり高いレベルだと思います。僕自身もCKの時に前に残ることがあるし、攻撃でも小さい選手がやるような役割を任せられることがあります。日本にいた時は前線のターゲット役でしたけど、ロシアはみんな体がデカいし、日本でやっていたことをそのまま出そうとしても通じない。ロシアのDFはあまり人につくのはうまくないけど、ちょっと動きが遅れても体格でカバーしてくる。そういう部分にもギャップを感じました。自分がどんなスタイルで対応すればいいのかを見つけるのに時間がかかりましたね。
――巻選手の「泥臭いプレー」はロシアでも十分通用しそうですが
僕自身、自分のプレースタイルに信念があるし、それはどこに行っても変わらないですね。ほかの選手があまり走らなければ、自分がいっぱい走ってカバーすればいい。DFが上がったまま戻らなかったら、自分が下がってバランスを修正すればいい。そういう部分がどこまで認めてもらえるか分からないけど、それをやりつつ、自分の生きる道をしっかり作っていかないといけないですね。
僕はロシアに環境を学びに来たわけじゃない。試合に出て活躍して、まだまだステップアップできると思ってここに来たんで。
――ロシアリーグ全体のレベルや特徴をどう感じましたか
UEFAチャンピオンズリーグに出ているルビン・カザンやスパルタク・モスクワ、ヨーロッパリーグのゼニト・サンクトペテルブルクやCSKA・モスクワなど4~5チーム以外はつぶし合っている感じ。その下はどこが上に行ってもおかしくない。そういう意味では日本に似てます。ゼニトともやりましたけど、手も足も出ないってことはないと感じました。
――地域性とか移動の難しさなどは
テレク・グロズヌイのあるチェチェンは危険みたいですね。マハチカラも行きましたけど怖かった。危険な町で、武装した人が多いということだから。問題なかったですけど。
移動も結構大変ですね。ペルミからトムスクへは3時間ちょっとで、時差も1時間あります。ロシアの一番遠いところで-3時間ってところもある。そうなると寝る時間も変わるし、試合が終わって帰ると明け方ということもある。夏場はそういうのが多かった。それを含めてロシアなのかなと思います。
僕の場合、代表にいたころは週の半ばに海外へ行って試合をやっていましたし、いろいろ経験しているんで全然平気ですね。大変は大変ですけど、自分の中で納得できる範囲かなと。
――逆にロシアのいい面は
セカンドチームも一緒に移動して、前日に公式戦と同じ相手と試合をやるのはいい点ですね。全員一緒に行動するんで、セカンドチームで良かった選手が翌日ベンチに入ったりできる。距離の問題で練習試合が組めないから、このシステムが設けられているのかもしれないけど、いいことですね。ただ、日本の場合は金額的に大変かな。全く同じことができるわけじゃないでしょうね。
――今季序盤、千葉で控えに甘んじていた自分を、あらためてどうとらえていますか
急にフィジカルが落ちたというわけではなかった。控えに回ったのはチームの方針が一番大きかったのかな。フィジカルの厳しいロシアに来て、自分自身を見つめ直した時に「フィジカル的にはまだまだ伸びる」とすごく感じています。ジェフで出られなかったのは監督が決めることだし。僕は不満もなかったですし、自分は自分のできるプレーをして、幅を広げたいと考えていました。
実際、こっちに来てシャドー的な役割をやるようになって、今まで見えなかった伸びしろが見えてきた感じがある。すごくポジティブですね。体もすごく動けるようになったし。ジェフでは精神的に動けなくなっていたところもあったけど、今は前向きですよ。とはいえ、この先はそんなに先は長くない。終わりはまだ見えていないけど、確実に近づいてきているわけだから、もっともっと試合にたくさん出たい。もっとうまくなりたいって気持ちも強いです。
――新たな闘志に火がついたんですね
サブでいいやとか、ロシアに来たから満足とかは一切ない。新しい世界に来て、自分のスタイルや役割を受け入れるいいチャンスになったと思っています。
――代表時代はメディアを遠ざけていたこともあったけど、今はイキイキしていますね
当時はサッカーが義務的になっていた。代表時代やジェフで残留争いをしていたころは楽しむことより義務感が強かったんです。でも今は単純に試合に出たい、うまくなりたいって思える。それは大きいですよね。
――当時はなぜしゃべらなかったんですか
代表に行くと責任感がすごく増す。周りから常に見られて、自分の発言に対しても責任を持たなきゃならなくなる。1つのことが10になって伝わったりするのがしんどかったんです。良ければ持ち上げられ、悪ければたたかれるギャップも大きい。そういうこととも戦わなければいけなかった。それを乗り越えられる選手が一流なんだろうけど、正直、僕には重かったですね(苦笑)。
――ロシアでの経験を日本代表に還元できたら面白いですね
チームで出ないことにはチャンスも巡ってこないと思うんで、まずはロシアで成功できるようにしたい。ロシアはフィジカルの強さだったら、ヨーロッパの中でも上位に入るし、ここに順応して、プレーの幅を広げられたら、また代表のことも考えられると思います。今季は残り少なくなりましたけど、シーズン中に1点くらいは取りたいですね。この歳でこんな素晴らしい経験ができるってことはあまりないから、最大限生かしたいです。
そいえば、オランダからロシアに移籍を決めた時、本田君は「僕に足りないのはフィジカル」だと言っていたのを思い出しました☆
頑張れ巻選手(*^▽^*)/
こないだ、トム・トムスクvsアムカル・ペルミでの日本人対決(松井vs巻)は、松井君は80分から出場し活躍をしてましたが、巻選手は出場機会がなく実現しませんでした。それだけに、次の、CSKAとの試合では、是非、巻選手の活躍を拝見したいです☆
巻選手は既にチームでは、慣れ親しんでいるようですし、実力も充分にある選手なので、後はフィジカルが強くなって結果をだすのみです!!CSKAモスクワvsアムカルの試合で日本人対決が実現できるように心から願ってます☆
たのみまっせ~~~!アムカルの監督さん!!アムカルはホームでCSKAと試合を11月28日に行います。
――まず移籍の経緯から教えてください
アムカル・ペルミからオファーが来るのと同じタイミングでジェフから「契約しない」と言われました。「チームを若返らせたいから、今後のゲームに使う気はない」と。そういう状況だったし、(アムカル・ペルミからのオファーは)いい話なんで前向きに考えました。今のクラブは日本との関係を重視していて、何人かリストアップして映像を見て僕に決めたらしいです。オシムさんの推薦ってことじゃないみたいですね。
――アムカル・ペルミには8月上旬に合流したんですよね
2日に来て、3日からトレーニングして、7日のゲームに出ました。長い間、試合に出ていなかったし、ゲーム勘と体力的にきつかった。空回りしていた部分もありましたね。ロシアのサッカーは全く分からなかった。前からプレッシャーを掛けようとしても後ろが全然ついてこないとか、逆にここは止まるところかなと思ったら前から行けって言われるとか、そんな難しさがありました。
日本との大きな違いはピッチですね。ホームもそうですけど、人工芝が多くてボールが弾む感じも全然違います。それに練習着にしても、スパイクにしても、日本みたいに全部用意してくれるわけじゃない。これまでとの違いは確かにあります。
――家族と離れて単身で挑戦しているので、生活面でも困ることが多いのでは
食事はスタジアムで食べられます。自分でも炊飯器は持ってきているし、朝はご飯とみそ汁とかを自分で作っているから問題ないです。この国では銀行に行ってもすごい時間がかかったりする。1~2週間で口座ができると言われて1カ月かかったりね。だけど、もともと僕の中でのロシアという国はそんなにすべてが整っていない印象だったし、ある程度、割り切って来ましたからね。ペルミの町は治安もそんなに悪くないし、人も穏やかです。一度、道の真ん中で車が止まった時もみんなで押してくれて。「スタンドまで行くぞ」って。そういう温かいところもあります。
――最初のアンジ・マハチカラ戦の後は、先発と控えを行き来しています
海外では結果が一番大事。自分は結果を出せていないんで、今はチャンスを再び待たないといけない状況です。そういう中でも自分のプレーをやり続けていかないとね。
――巻選手の役割は
主にシャドー的なFWですね。守備の時は頑張って戻って、攻撃の時は前に出る感じで、“汗かき”ですね。8番(ボルコフ)とポジション争いをする形になっていますが、彼はパス出しに長けたゲームメーカー。タイプが全く違います。このチームにはパサーが少ないんで重宝されていますね。自分はたまにターゲット役の1トップもやります。監督から見れば“使い勝手のいい選手”でしょうし、それが生きる道かなと思いますけど。
――早く初ゴールが欲しいところですね
その部分で僕は最初、失敗しました。今、あまり試合に出られないのもそれが原因。合流してからの準備時間が短すぎたこともあるけど、サッカー選手は目の前の環境を受け入れないといけない。そこで結果を出せなかったんで、もう一度チャンスを待たなければいけないってことですね。
――ロシアでのプレーの難しさはどんなところですか
やっぱりフィジカル。欧州の中でもかなり高いレベルだと思います。僕自身もCKの時に前に残ることがあるし、攻撃でも小さい選手がやるような役割を任せられることがあります。日本にいた時は前線のターゲット役でしたけど、ロシアはみんな体がデカいし、日本でやっていたことをそのまま出そうとしても通じない。ロシアのDFはあまり人につくのはうまくないけど、ちょっと動きが遅れても体格でカバーしてくる。そういう部分にもギャップを感じました。自分がどんなスタイルで対応すればいいのかを見つけるのに時間がかかりましたね。
――巻選手の「泥臭いプレー」はロシアでも十分通用しそうですが
僕自身、自分のプレースタイルに信念があるし、それはどこに行っても変わらないですね。ほかの選手があまり走らなければ、自分がいっぱい走ってカバーすればいい。DFが上がったまま戻らなかったら、自分が下がってバランスを修正すればいい。そういう部分がどこまで認めてもらえるか分からないけど、それをやりつつ、自分の生きる道をしっかり作っていかないといけないですね。
僕はロシアに環境を学びに来たわけじゃない。試合に出て活躍して、まだまだステップアップできると思ってここに来たんで。
――ロシアリーグ全体のレベルや特徴をどう感じましたか
UEFAチャンピオンズリーグに出ているルビン・カザンやスパルタク・モスクワ、ヨーロッパリーグのゼニト・サンクトペテルブルクやCSKA・モスクワなど4~5チーム以外はつぶし合っている感じ。その下はどこが上に行ってもおかしくない。そういう意味では日本に似てます。ゼニトともやりましたけど、手も足も出ないってことはないと感じました。
――地域性とか移動の難しさなどは
テレク・グロズヌイのあるチェチェンは危険みたいですね。マハチカラも行きましたけど怖かった。危険な町で、武装した人が多いということだから。問題なかったですけど。
移動も結構大変ですね。ペルミからトムスクへは3時間ちょっとで、時差も1時間あります。ロシアの一番遠いところで-3時間ってところもある。そうなると寝る時間も変わるし、試合が終わって帰ると明け方ということもある。夏場はそういうのが多かった。それを含めてロシアなのかなと思います。
僕の場合、代表にいたころは週の半ばに海外へ行って試合をやっていましたし、いろいろ経験しているんで全然平気ですね。大変は大変ですけど、自分の中で納得できる範囲かなと。
――逆にロシアのいい面は
セカンドチームも一緒に移動して、前日に公式戦と同じ相手と試合をやるのはいい点ですね。全員一緒に行動するんで、セカンドチームで良かった選手が翌日ベンチに入ったりできる。距離の問題で練習試合が組めないから、このシステムが設けられているのかもしれないけど、いいことですね。ただ、日本の場合は金額的に大変かな。全く同じことができるわけじゃないでしょうね。
――今季序盤、千葉で控えに甘んじていた自分を、あらためてどうとらえていますか
急にフィジカルが落ちたというわけではなかった。控えに回ったのはチームの方針が一番大きかったのかな。フィジカルの厳しいロシアに来て、自分自身を見つめ直した時に「フィジカル的にはまだまだ伸びる」とすごく感じています。ジェフで出られなかったのは監督が決めることだし。僕は不満もなかったですし、自分は自分のできるプレーをして、幅を広げたいと考えていました。
実際、こっちに来てシャドー的な役割をやるようになって、今まで見えなかった伸びしろが見えてきた感じがある。すごくポジティブですね。体もすごく動けるようになったし。ジェフでは精神的に動けなくなっていたところもあったけど、今は前向きですよ。とはいえ、この先はそんなに先は長くない。終わりはまだ見えていないけど、確実に近づいてきているわけだから、もっともっと試合にたくさん出たい。もっとうまくなりたいって気持ちも強いです。
――新たな闘志に火がついたんですね
サブでいいやとか、ロシアに来たから満足とかは一切ない。新しい世界に来て、自分のスタイルや役割を受け入れるいいチャンスになったと思っています。
――代表時代はメディアを遠ざけていたこともあったけど、今はイキイキしていますね
当時はサッカーが義務的になっていた。代表時代やジェフで残留争いをしていたころは楽しむことより義務感が強かったんです。でも今は単純に試合に出たい、うまくなりたいって思える。それは大きいですよね。
――当時はなぜしゃべらなかったんですか
代表に行くと責任感がすごく増す。周りから常に見られて、自分の発言に対しても責任を持たなきゃならなくなる。1つのことが10になって伝わったりするのがしんどかったんです。良ければ持ち上げられ、悪ければたたかれるギャップも大きい。そういうこととも戦わなければいけなかった。それを乗り越えられる選手が一流なんだろうけど、正直、僕には重かったですね(苦笑)。
――ロシアでの経験を日本代表に還元できたら面白いですね
チームで出ないことにはチャンスも巡ってこないと思うんで、まずはロシアで成功できるようにしたい。ロシアはフィジカルの強さだったら、ヨーロッパの中でも上位に入るし、ここに順応して、プレーの幅を広げられたら、また代表のことも考えられると思います。今季は残り少なくなりましたけど、シーズン中に1点くらいは取りたいですね。この歳でこんな素晴らしい経験ができるってことはあまりないから、最大限生かしたいです。
そいえば、オランダからロシアに移籍を決めた時、本田君は「僕に足りないのはフィジカル」だと言っていたのを思い出しました☆
頑張れ巻選手(*^▽^*)/
こないだ、トム・トムスクvsアムカル・ペルミでの日本人対決(松井vs巻)は、松井君は80分から出場し活躍をしてましたが、巻選手は出場機会がなく実現しませんでした。それだけに、次の、CSKAとの試合では、是非、巻選手の活躍を拝見したいです☆
巻選手は既にチームでは、慣れ親しんでいるようですし、実力も充分にある選手なので、後はフィジカルが強くなって結果をだすのみです!!CSKAモスクワvsアムカルの試合で日本人対決が実現できるように心から願ってます☆
たのみまっせ~~~!アムカルの監督さん!!アムカルはホームでCSKAと試合を11月28日に行います。