(再読)ななめ読み
「黒船以前 パックス・トクガワーナの時代」
徳川政権が、二百五十年の安泰を築き上げた要因。
これを
直木賞作家中村彰彦氏と
歴史学者山内昌之氏が再検証する・・という体の対談集。
山内氏は中東イスラム研究の専攻で名高いが、
江戸学についての造詣の深さにも驚かされた。
天は、
与える人には二物でも三物でも与えるものなのだ・・。

なかでも、
キリスト教や鉄砲伝来のあたりの考証は、
いろいろな想像が膨らんで面白い。
この本では、
キリスト教伝来を
スペイン・ポルトガルの日本征服戦略の尖兵としてとらえている。
たとえば、
当時のイエズス会日本管区準管区長ガスパル・コエリョは、
スペイン本国に艦隊の派遣を要請していた。
その内容がこちら・・。
「もし日本を植民地化してカトリック改宗に成功し日本人のように好戦的で怜悧な兵隊を得たならば、いっそう容易に中国を征服できる」
まるでエビで鯛を釣るがごとき戦略を本国に書き送る宣教師とは、
一体何だったのだろう・・。
スペイン・ポルトガルの隆盛期だったこの時代、
両国に「トルデシリャス条約」という取り決めがあって、
ローマ法王の仲介で両者が協議し、
領域の分割線を決めたという。
その線から東はポルトガルの領域、西はスペインと。
面白いのは、
この分割線をもとに
ポルトガルは東へ向け航海をはじめ、
かたやスペインは西に勢力を伸ばす。
ついには地球の反対側で対面してしまうのだが、
その場所が東アジアなのだという。
そしてその時の日本は、
応仁の乱が終息し、新しい秩序を模索する大変動期だった。

航海の先々で
やりたい放題一人勝ちをつづけてきたポルトガル・スペインが、
「日本に行ったとき、世界でもっとも凶暴な完全武装の集団、職業的な軍人集団が存在した」
ことに仰天する。
そこでとった戦略が、日本の上流階級攻略である。
つまり戦国大名に取り入りそこから布教を広める。
結果、
大友・有馬・大村をはじめ高山右近・内藤如安などが続々と改宗していく。
本書対談の中で中村氏は、
「明日の命も知れないようなところでは、そういうキリスト教の、死ねば天国にいけるという考え方は一つの救いとして作用したであろうし、宣教師側も非常によく勉強して、日本人に実に口当たりのいい方法でアプローチしてきた」
秀吉・家康によって追放の憂き目に会うのだが、
その間日本は、
ヨーロッパ文明と新しい知恵・技術をたっぷりと習得する。
まるでそれは、冬眠に入る熊が貪欲に栄養を蓄積するのに似ていなくもない。
事実、以後日本は二百五十年の長い冬眠に入るのである。
本書は、従来の江戸時代論を見直す格好の一冊である。

さて安田食堂、
きょうの一品は、
シンプル
鯛塩ラーメン
です。
鯛のアラを
軽く焼きつけて
昆布と鶏むねでだしを取ります
スープはもちろん
飲み干します♪
それと、
タコとはっさくのサラダ
鯛のアラのほぐし身の甘辛煮
砂肝とセロリの辛し和え
おつまみ三点
以上、
きょうもおいしくいただきました。


















































































































