麺をすするということについて | オヤジのブログ

オヤジのブログ

Yahooからの避難組/FC2と2足のわらじ/趣味やら日々の出来事やら

麺をすするということについて

昨日、久しぶりにいつもと違うラーメン屋に入った。
湯気や麺をすする音に活気を感じながら、おいしく頂いてきた。

何年か前に、そばだかなにかの麺をすする音で婚約破棄になったなんていう話があった。
最近、たまたま、何かの話題にネットでこの話が上がっていたのをちらっと見て、啜って食べるのはマナー違反だからやめた方がいいみたいな話が多くて、大変意外だった。

麺を啜るのはマナー違反なのか?

まず第一に、そばにせよラーメンにせよ、箸で口元まで手繰ってしんねりくちゃくちゃ食べてもおいしくないと思う。
そもそも、箸に巻いたり、手繰りあげたりするだけでは、そうとうに食べにくい。

それに、試してみるとわかるが、啜らないで食べるのと啜って食べるのではうまさが格段に違う。
鼻から息を出し入れする事で香りを感じることができたり、啜ることで汁も多く吸い上げることができたりするからということらしいが、理屈はともかく、そばでもうどんでもラーメンでも、汁気の多い麺は啜って食べた方がおいしいのは間違いない。
それに、ラーメンなんか、熱いものを熱いうちに食べるのが身上だと思うのだが、啜らずに食べてたら、すっかり冷めてしまうんじゃないだろうか。

ところで、パスタにしろ中国の麺料理などにしろ、よその国ではあまり汁気の多い麺は見かけないようだ。
あらかじめ麺に味が馴染むようにしてあったり、ある程度麺にからむ粘り気のあるソースを使っているからだと思われる。
そう考えると、他国の麺は、味がなじむように「ソースや調理法を工夫した」。
一方、日本では、食べたい麺の形に合わせて、「食べ方を工夫した」っていうことなんじゃないかと勝手に想像してみる。
つまり、啜るっていう食べ方は、ひとつの文化なのではないかとも思えるわけだ。

しかし、啜る音が気持ち悪いという話も聞く。
確かに、食べるときの音については、たとえばくちゃくちゃと他人の口の中そのものを連想させる咀嚼音などは気持のいいものではない。
それに、咀嚼音が聞こえる理由は、口をあけたまま食べたりしてたりするからで、それこそ見苦しい。
げっぷも、空気中に吐き出される他人の呼気や、その匂いなんて受け入れられるものじゃない。
そもそも下手な食べ方でどんだけ空気まで一緒に食ってるんだよって話だ。

でも、麺を啜る音は「麺を啜る」音だ。
食べ物を口に入れる行為、それ自体はなんら汚らしくも見苦しくもないと思うのだ。
(別なものを想像でもしたりしない限りは)

食事に音を立てるのがマナー違反っていう話もある。
どこの国のマナーだよって思う。
啜って食べるものといえば、そば・うどん、ラーメン。
そばもうどんも日本の食べ物だろう。
どうしてよその国のマナーに準じなきゃならないのか。
それにラーメン食べるのにマナーもなにもあるものか。
だいたい、日本じゃ戦国時代から、音を立ててもマナー違反じゃないっていう文献があるらしいじゃないか。

ところが、最近、この啜るという食べ方がそもそも出来ない者が増えてきてるという。
そもそもそういう食べ方が出来ないからしたことも無い、したことが無いから、どういう理由利点があるのかも知らずに、他人の行為だけが気になるっていう図式もなりたつのかななどと考えてみる。

まあ、ただ、確かに隣で落語みたいにでっかい音で麺を啜られたら、誰だってやっぱり気分悪いかも。

節度っていうのはあると思うので、そこはそれこそマナーを守って、味を楽しみたいところだなとは思うが・・・