男「“恐怖を植え付ける”て、そこまでする必要があると?」
行商人「“恐怖を植え付ける”と言いましたが、思うほどのことではありませ
ん。
“一見大人しそうに見えるが、いざとなれば噛みついてくる”と思わせ
ればいいのです」
男「・・・方法は?まさか、恫喝する、なんて言うんじゃ・・・」
行商人「大きな声を出して恫喝する、という方法は効果はありません。
大声で恫喝する様子を周囲に見られることによるリスクが大きいです。
“人間としての器が小さい”と思われてしまい、余計悪い状況に陥りま
す。
実際のやり方はむしろ逆、静かに、時としては声すら出さずに“反論の
意”を示します。強気な態度を維持してください。
これはこれで“耐え忍ぶ”ことが必要ですが、1日2日と続けていると、
周囲、ひいては相手からの評価も変わってきます。
そう簡単に屈しない者を見ていると、“こいつ、強いな”という印象
を持つものです。
実行に移すのであれば、一人でいる間に“強気になっている自分の
姿”を思い描いておくことはやっておいた方がいいでしょう」
男「わかった、まずはそれをやってみよう。
それで、業務に関することは?」
行商人「技術や知識の量を増やす。または質を上げる。ということはいつまで経
っても要求されることですが、それは何か月何年というとてつもない時
間がかかります。
なので、そもそも“きちんとできる”“少し背伸びすればできる”と
いう仕事以外は断る習慣が必要です」
男「それは“仕事を放棄”しているとみなされるのでは?」
行商人「言ったときはそう感じ取られるかもしれませんが、安請け合いする方が
よほど罪です。引き受けるにしても「できる自信がない」ということを
言っておくといいでしょう」
つづく