瀬戸内海の島々を結ぶ橋を渡ってゆく、世界中のサイクリストが憧れるサイクリングロードがあるという。
しまなみ海道である。
行ってみたい!が、行ってみよう!となり、一人ではいかなかったろうが、家族でいくことになり、夢がかなった。
メンバーは、発起人の兄、相棒、そして私の3人である。
どちらかというと、兄が一番行きたいと思っていたようだ。
50代3人である。
どんな旅になるのかな、危なくないのかな、など、いろいろ心配だった。
旅の始まりは道後温泉である。
私は先に松山空港に降り立ち、松山城や道後温泉の観光をして回った。
松山空港と松山城、そして道後温泉はそんなに遠くない。
空港からの直行バスや、市内の路面電車などで自由自在に観光できる。
行ってみるまで知らなかった。
なかなか観光しやすいぞ。
市内の観光案内所で、蛇口から出るみかんジュースを100円で購入。
蛇口をひねると出てくるオレンジ色の液体を紙コップになみなみと注ぎ、ゴクリゴクリとその甘酸っぱいみかんジュースを堪能した。
うまい!
その後、リフトに乗って松山城を観光した。
松山城は、羽柴秀吉と柴田勝家が戦った賤ヶ岳の戦いで勇名を馳せた七本槍の一人、加藤嘉明が1602年に築城を開始した。工事はその後四半世紀も続いたが、嘉明は完成を見ることなく会津40万石に転封となった。
防御と攻撃力が高く、かつ美しい城である。どんなにこの城の完成をみたかったことだろう。
その城の姿は、道後温泉のホテル、茶玻瑠の湯上がりラウンジからも見ることができた。
このホテルが、私と相棒、そして兄の集合場所である。
夏目漱石の坊っちゃんの舞台となった道後温泉本館の湯を堪能し、近辺を観光していると、偶然テレビ東京の番組の取材を受けた。蚊の鳴くような小さな声で、支離滅裂なことを答えたような気がする。放映が怖いけど楽しみである。
さて、ホテル茶玻瑠は、道後温泉の象徴ともいうべき美しい建物を眼下に見下ろせる良き場所にあり、しかもご飯が絶品だった。
温泉もすばらしい。すべすべとした、化粧水に浸っているような柔らかいお湯である。
天空の露天風呂からは、遠く松山市内を囲む山々が見えた。男風呂からの眺めはさらに良かったらしい。
サイクリングの旅の前泊をここにして良かった。
創作フレンチ料理を堪能した後は、道後温泉の湯めぐり。
浴衣でそぞろ歩くのも楽しい。
来て良かった!
明日からのサイクリングの旅の準備は整った!
我々3人は、温泉でポカポカになった身体をポンジュース酎ハイで潤して、そのままひっくり返って眠りについたのであった。
ああ、中学生の夏休みみたい。でも大人だから、お酒も飲める!最高じゃー!
これがやりたかったんだよね、おにーちゃん。