国語の入試問題は漢字、熟語、詩、物語文、説明文で構成されています。
これらの設問にほぼ共通することは、
当然ですが、漢字が使われていることです。
我が家では特に低〜中学年時には漢字学習に注力しました。
それぞれを個別で覚えるのではなく、
漢字の成り立ち(偏や旁)、漢字単体の意味、用例や使われる熟語やその意味等に目を通すようにしておりました。
「漢字は実際のテストでは出題数が少なく配点も低いからそこに時間をかけるのは得策ではない」
とおっしゃる方もおりますが、
短絡的な判断でかつ完全に誤りです。
上記のような学習法を進めていれば、漢字そのものを問われる問題以外の設問でも、
往々にして出てくる初見の熟語や表現に対してもある程度対応できるようになります。
「この漢字はこういった成り立ちだからおそらくこの文章ではこういうニュアンスなんだろう」
「知らない漢字だけど旁がこれだからおそらくこういった意味を含む、もしくは関連する意味合いを持つのだろう」
漢字や熟語のざっくりとした意味合いを想定できることは、
文章読解において前後関係等の把握とあわせることを通じて、結果として文章理解において補完的な働きが期待できます。
文章読解の話に展開してしまいましたが、
要するに漢字学習はとても(やり方を間違えなければ)コストパフォーマンスの高い取り組みであると断言できますので、
冒頭述べました通り、低〜中学年のお子様の学習には後々強力な武器になることを見据えて優先的に取り組むべき課題と考えます。
ただ、これはまだ時間に余裕のある段階での取り組みに限るべきであるというのも事実です。
高学年以降は日々のカリキュラムの消化に追われる方も多いと思います。
忙しいからやらなくていいと言いたいわけではありません。
本人に時間がないのですから、
客観的に見て「口出し」できるタイミングを見計らい、
親が関与していくべきです。
そのためには我が子が日々どんな学習をしているのかを把握する必要があることは言うまでもありません。
長男の受験を通じて中学受験はソロプレイでありチームプレイであることを学びました。
家庭学習はチームの一員として、我が子のマネージャーして積極的に関わっていくことを強くお勧めします。
ただひとつお断りしておきますと、
今述べました取り組みはあくまで問題文の「精読」を通じて解答を導き出すことを前提としており、
印付け・線引きなどでのマークで読解問題を解きたい方のニーズには合致しておりません。
別記事でも申し上げました通り、
進学先には学びの喜びや奥深さを感じることができる環境を求めておりましたので、
正解を導き出すことのみに重きを置く受験対策とは大きな価値観のギャップがあります。
一方で、一度限りの中学受験においては印付け・線引きなどでの読解も、望む結果を得るために必要であることは理解しております。
大切なのはどちらをベースに置くかと言うことです。
わが子は塾からの帰宅後、よく
「パパ、今日読解で解いた問題に書いてた内容が面白かったんだ。〇〇について述べていて、その考え方が斬新でなんか小学校でやってることにも使えるなと思ったよ。…」
などと話してくれました。
問題は解けたのかと聞くと、時間内に把握できないことは塾の先生が教えてくれたテクニックを使ったとも。
点数・偏差値至上主義になってしまう受験勉強期にも筆者との会話を楽しめるような心の持ち方が大切だと思います。