2.機械式時計における、さまざまな機構と機能
機械式時計の主な機構・機能を挙げると、次の通りである。
(1)アラーム
設定した時刻を音や振動で知らせる。
いわゆる目覚ましやタイマーと言われるもの。
(2)ビッグデイト
日付を2つの「日付窓」で表示する。
十の位の窓には「0~3」のいずれかの数字が表示され、一の位の窓には「0~9」のいずれかが表示される。
(3)月齢表示(ムーンフェイズ)
文字盤上の「月」が、その日の月の位相(=月相、月の見え方)を示す。
新月から上弦の月、満月、下弦の月を経て新月に戻るまでの満ち欠けが、文字盤上に表示される。
(4)レトログラード
一般的な時計は、針が円運動するが、レトログラードでは、針が文字盤上を扇状に動く。
例えば、分針にこの機構が用いられている場合、針が扇の左端「0」から徐々に右端「60」へ向かって移動していき、右端にたどり着いたら、針は瞬時に左端の「0」に戻る。
(5)ジャンピングアワー
短針の代わりに、文字盤に設けられた小窓に数字で時間を表示する。
数字が1時間ごとに、ジャンプするように切り替わる。
現在では、レトログラードと組み合わせるのが一般的である。
(続く)