ドラマ「バイプレイヤーズ」を見ていて、急に頭の中で電球が点灯した。
何かというと、このところ悩んでいる「書き出し」についての事だ。
今書いている物語は、ここに至るまで、書き出しを三度書き直している。
どれも、前のモノとは似ても似つかない。
その三度目の書き出しで、自分が今から書こうとしている物語について、1人称の狂言回しの役で書いてみた。
云わばこれから始まる物語を、内に潜むもう一人の自分に語らせるという書き出しだ。それは例えると、合わせ鏡に映る自分を見るような錯覚。眩暈が起きるような、妖しさ。
といったら言い過ぎか。ホントはもっとさらっと書いている。
ドラマ「バイプレイヤーズ」は、役者さんたちが各々、脇役に徹してきた自分の名前の役を演じている。しかも、その物語の中で十年前に「バイプレイヤーズ」というドラマを演っている。その劇中劇がドラマの発端だ。その十年前のドラマが伏線となって、毎回葛藤がおきる。しかもドラマが終わった後で、全員飲みながら毎回楽屋落ちネタを語る。そこが、ジツニオモシロイ。
そのドラマを見ていて、何で「書き出し」の話にシナプスが繋がったかというと、一行目からいきなり物語に入る展開の書き出しに、最近胸やけを起こすようになったせいだ。
昔のおとぎ話は、「むかし、むかし、あるところに」から入った。これから奇想天外な話に入りますよ、準備はいいですか、という書き出しだった。例えて言えば、ジェットコースターに乗って、最初は平坦なところから、徐々に坂をゆっくり上っていく。その後にスリルが待ち受けていますよ。心臓の準備はできていますか?みたいな感じだ。
では、ジェットコースターの様にガタタンガタタンと、ゆっくり始まる「書き出し」をどう書くか。
皆さんは、どういう「書き出し」で、物語を始めていますか。