物語書いてる?

物語に関するあれやこれや。そんなこんなでゆっくりやっていきます。


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今日から、自分の書いている小説をこのブログでも出してみたいと思う。

もしよろしければ、お気軽に立ち読みいただき、コメントなどいただけると助かります。

では、ゆっくりとお付き合いください…。

 

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         唐子人形

 

 北陸路を旅していた時の事だったと思う。

 いつもなら土産店など寄らず、その土地の風物など特に興味もないはずが、列車を待つ間の暇潰しに、ふらっと寄った店先に、その唐子人形があった。子供の遊びで出来上がった様な退屈な人形だが、変わっているのは、そのツバの広い帽子と手に持った三又の槍で、日本の風俗とは、明らかに異なる。

(その変わった人形が、何故こんな特徴もない町にあるのだろう…?)

 そんな疑問が、浮かんだ。一体この人形は、どんな道を辿って来たのだろう。
 唐子人形の『カラ』の地。調べてみると、其処は唐では無く、日本と『一衣帯水』と謂われる韓半島を指していた。
 その人形が作られ始めたのは、今から四百年も前に遡る。そう資料に書いてあったが、最初は特に気にもならなかった。日本と交易があって、何か文化が伝わって来たのか。そんな程度のイメージしか無く、終いには何が気になるのか、其れすら解らなくなった。ただ心の奥底で、何かが疼いている様だった。
 次に目に留めたのは、日韓文化交流展という催事場での事だった。『朝鮮通信使』と言う、耳慣れない言葉と共に、その人形は展示されていた。
 頭の片隅で何かが光った。それはどこに落としたか、何だったのかもわからない落し物のようだった。『通信』という、現代的な言葉が使われている事が気を惹いたのだろうか?
(『通信』とは、何を指しているのだろう?)
(何か飛脚のようなものか?)
(何かを運んできたのだろうか?)
 (でもそれが、何故人形にまでなったのだろう?)

 疑問符が次々と浮かんでは消えた。ここまでくると、そのまま放っておけなくなってくる。その人形がどうしても四百年の彼方へと、私の手を引いて行くのだ。その人形の事で、私の頭が一杯になった。

 こうなると悪い癖で、どうしても調べずにはおれなくなる。タイムマシンが発明されたら、乗っていた事だろう。先ずは朝鮮通信使の本はないかと片っ端から本屋に漁りに行く。元々希少な分野なので、そうは期待していなかったが、それでもいくつか見つける事が出来た。気の利いた本屋なら、その場で読める読書スペースがある。早速席を陣取って読んでみると、そこには、隠された物語があった。

 頭の隅でぼんやりしていたモノたちが、次第に姿を現して来た。

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