「ほかの作家だってたぶん同じだろうが、私にとって短編をひとつ書くのは、大変な作業である。これだけ書いて来たのに、いまだにこつがわからない。まことに原始的な方法をとっている。
…そこでどうするかというと、机の上の二百字詰めの原稿用紙を裏返しにしてひろげる。
…そこへ、思いつくまま、なにかを書く。
…太宰治は、飛んでいるチョウを追い回し、やっと何匹かつかまえるといった形容をしている。…」
こんなに苦労されていたのは、星新一氏。上記は同氏著『できそこない博物館』より抜粋してみた。
この本を読むと、頭の中を開いて見せられたような気分になる。アイデアを切ったり繋げたり取り換えたりと苦闘する同氏の姿が浮かんでくるようだ。
ところでこのアイデアの断片、ストックに苦労する。同じようなことを、何年も前に書いたノートで見つけたりする。なんだこの時もう考えてたんだ!ということがよくある。
皆さんは、アイデアをどうストックしていますか?