ホールディングバックルが好きだ。

 

別名「Dバックル」あるいは「D環」とも。革バンド、シリコン・ラバーバンドを尾錠を使わずに容易に腕に装着できるようにするための機構だ。(ブレスレットのクラスプもDバックルではある)

 

僕は、最初から装着されていた時計はもちろん、最初は尾錠だった時計も、たまに使用する時計は全てホールディングバックルに交換している。

 

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一般論として、ドレスウォッチは高級時計でもホールディングバックルではなく、尾錠が主流。しかし高級スポーツウォッチには最初から装備されていることも多い。

 

例えばウブロ。ホールディングバックルでなかったら、おそらくはこの手に馴染む柔らかい、しかし見てくれの割りには高価(価格30,000円弱)で繊細なシリコンラバーのバンドを装着する度に、富豪ではない僕は劣化に心を痛めると思う。

 

構造的には二つ折り、観音開きの三つ折りがスタンダードだが、精度の出ている高級時計ほど二つ折りの傾向がある。

 

高級時計のホールディングバックルには、ロックボタンの無いノンロックタイプもある。また固定する際の固定具がハマる感触にも質感があり、精度感とこだわりを感じることが多い。

 

さてホールディングバックルを使用する意味は、主に3つ。

1.装着のしやすさの補助

2.ベルトの劣化防止

3.金属プレートでの形状保持による装着感の向上

 

例えばSUUNTO(スント)コア。装着感に優れる柔らかいシリコンラバーのベルトであるが、ふにゃふにゃで装着しにくいのなんの。

 

あるいはカシオのGショックなど、ベルトがごつすぎて装着しにくいのなんの。装着の度に無理に曲げるため、ベルトを痛めている感覚すらある。(タフなイメージの時計であってもベルトまで無骨にしなくてもいいのにね)

 

逆に、高級クロコダイルのベルトの場合、腕に着ける度に尾錠で穴が広がる=劣化の感覚がある。

 

そんな場合に効果がある訳だが、不思議なことにホールディングバックルを装着すると、今まであまり使っていなかった時計を「今日は着けてみようかな」という気にさせるのである。

 

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使っていない時計、使わない傾向がある時計をホールディングバックルに交換してはどうだろうか。時計を沢山持つ人にこそオススメしたい。

 

交換用の汎用品は、「Dバックル」で検索するとアマゾン等でもたくさん売られている。安価なものは1,000円強。

 

品質も粗悪なものからまあまあ許せるものまで有象無象あるが、ドノロロジオというところのものは、なかなか使えると思う。

 

構造的には安価な観音開きで、パチンと固定具がハマる感触にも色気は感じないが、実用的には十二分で見た目もまあまあ。

 

色はシルバーポリッシュ、ブラックPCV、イエローゴールドのPCV。

サイズも18/20/22mmあたりは揃っていたと思う。

 

シルバーは、ポリッシュタイプのみのラインアップだが、サテン地が良ければ自分で耐水ペーパーを使いヘアラインを入れればよろしい。

 

1,000円強で使わなかった時計が活きるのであれば、安いものだと思う。

 

こだわりの時計には、高級メーカーのバックルという選択もある。純正はもちろん、他メーカーの同サイズ品からの転用も面白い。