精巣腫瘍の手術が終わり2週間ほど経った、うだるような暑い日。
伸びきった髪を切るため、電車で隣町のいつもの美容院(店主がオカマ)へ向かっていた。
平日昼間の電車内はガラガラで、特に理由はなかったが優先席に座った私。
この日は 人通りを歩くわけでもないので、白杖を持っていなかった。
そんな私のところに、50代くらいのおb...貴婦人が現れこう言い放った。
「アナタ、そこ、何の席だかわかる?!」
「そこは優先席だから、アナタみたいに元気な人は座っちゃダメなの!」
ガラガラの車内に響くおb...貴婦人の声。
まあ、白杖持ってなきゃ誰も視覚障害者とも分かるまい。しかもタマ取る手術したかなんて絶対にわからないだろう。
うーーーんと悩んだ末、仕方なく不本意ながら障害者手帳を取り出して見せてみた。
おb...貴婦人は「?!」と頭上に浮かんでるかのような表情を見せ、その場を立ち去った(オイオイ謝罪なしかよ)。
さて、優先席とは何か。
おばさん(もういいや...)はさも元気な人はたとえ空いてても座るなぐらいに言っていたが、それは専用席だ。
身体の不自由な人、ご年配、妊婦などがいたらゆずってあげてね、的な意味であり、排他的な意味合いではない。
いや、そもそもの話。
じゃあ「一般席」で上のような人がいたら
、「優先席」じゃないから譲らなくてオッケーなのだろうか?いや違う。
ペースメーカーなど電波に影響を受ける(これも科学的にありえないらしいけど)ことを除いて、優先席ってくくりは「優しさと見せかけた差別」がある。
ばばあ(おっと?)も、正義から私に注意をしたのかもしれないが、その正義は、隔たりを大きくするものでしかなく、残念に思った。そんな夏の日。