週末にマンハッタンを散歩していたら、閉店セールをしているサーキットシティを見かけました。日本ではビックカメラの粉飾決算が発覚したそうですが、アメリカでは家電小売第二位だったサーキットシティが清算されることになったことをご存知の方も多いかもしれません。


今回のNYC旅行では、母校のOB団体が主催する講演会にでることも目的の一つでした。くしくも、この講演会の議題が、「小売業界から見た米国の実体経済」で、サーキットシティについても話題に上がりました。ベストバイをしのいで一時家電売り上げ一位だった当社の破綻の理由については、以下のような説明がありました。


・出店場所 - 店舗を出せば人がくるんだという考え方(いわば奢り)で、賃料の安いかわりにあまり立地のよくない場所に出店してしまった。対してベストバイは、よい立地を選んで出店していた。


・販売体制 - 販売員にはメーカー別に異なるコミッションが払われる体制で、もっとも高いコミッションが出るメーカーの製品の「押し売り」が発生してしまったのにもかかわらず、是正するのに時間がかかった。かたやベストバイは、当初から顧客が自由に品物を選べる販売体制としていた。


いずれも興味深い説明でした。確かに、ロチェスターのベストバイは、町一番のモールに立地しており、閉店されるサーキットシティの入っているモールは、特段用がなければ行かない場所にあります。また、ベストバイの販売員は、こちらから聞かない限り話しかけてきませんし、特段買ってもらわなくてもよさそうな感じです。


この事例は、戦略の違いが、企業の生死を分けたケースといえるでしょう。NYCでは、前述のサーキットシティの隣には、ベストバイが出店していました。改めて、企業の戦略と競争がもたらすものについて考えさせられた旅行となりました。