閉された言語空間 占領軍の検閲と戦後日本

 江藤 淳 著

さきの大戦の終結後

日本はアメリカの軍隊によって占領された

そしてアメリカは占領下日本での検閲を周到に準備し実行した

それは日本の思想と文化とを殱滅するためだった

検閲がもたらしたものは

日本人の自己破壊による新しいタブーの自己増殖である

秘匿された検閲の全貌

 

自由の国 アメリカ

合衆国憲法修正第一条 宗教 言論 出版及び集会の自由

連邦議会は国教を樹立し若しくは

信教上の自由な行為を禁止する法律を制定してはならない

また言論若しくは出版の自由、又は人民が平穏に集会し

また苦痛の救済を求めるため政府に請願する

権利を侵す法律を制定してはならない

 

旧帝国憲法

大日本帝国憲法第28条

日本臣民は、安寧秩序を妨げず 

かつ 臣民としての義務に背かない限りにおいて

信教の自由を有する

大日本帝国憲法第31条

本章に掲げた条規は、戦時又は国家事変の場合において

天皇大権の施行を妨げるものではない

 

アメリカは日本の第31条の戦時又は国家事変の場合の憲法がないので

検閲や報道規制は極力存在と活動を隠蔽しなければならないので

民間組織よる民間検閲支隊(CCD)が日本において検閲を実行した

 

昭和20年9月 日本の占領を開始した米軍の前で

日本は異常なほど静まり返っていた

米軍は 巨大な罠 ではないかと疑っていた

当時の日本は 戦争犠牲者は自らの邪悪さではなく

米軍の殺戮と破壊で生じたと思われていたので

早急に憎しみを感じるべき相手を

日本政府 日本軍 に転換させることにした

 

連合国最高司令部(GHQ)占領終了後

民間検閲支隊(CCD)が消滅しても

日本の言論機関と教育機関に言論検閲が定着し

今も 皇室関係用語集があり

使わない言葉があるようです

 

関連本

二つの祖国 山崎豊子 著

太平洋戦争勃発に伴い強制収容所に収監され

陸軍の語学兵募集に応募して第33歩兵師団附の語学兵になり

日本軍から奪取した機密書類の翻訳や日本人捕虜の尋問に

成果を上げたハリー・カツハル・フクハラ氏がモデルらしい

 

語学試験で日系二世の90%は使い物にならなかったらしい

日本語が話せないのに強制収容所に収監されるとは