ある日、下蒲刈島に出かけた

 

そこに至るまでの、風景が好きだ

牡蠣筏が浮かぶ、湖にしか見えないような海

突き抜ける空

天気がいい日は特に

 

蘭島閣美術館に行く

市内でぴんとくる展覧会がなくなり

ここにくることが増えた

ほとんどが国内の、特に地元出身の作家の絵だ

 

 

 

 

立派な木造建築の引き戸

靴を脱いで上がる

大きな木で作られた階段は、足が吸い付くよう

 

ひんやりとした空気の中

絨毯が沈むのを感じながら絵をみる

静かで、贅沢な気分になるのだ

 

夏場は、ここの階段で、お昼寝してみたい

廊下の絨毯の上でもいい

 

 

 

帰路につこうとして

別館に気づいた

 

 

本館の裏手の、階段を上がっていく

進むごとに目線がみるみる高くなる

この坂をあがったところにあるなんて

 

この道は、小さい頃の遊びを思い出す

歩くだけでワクワクする

 

 

 

到着すると、歩いてきた道が見え

地団駄を踏む

 

 

 

その日はちょうど

閉鎖になった日本製鉄の工場を描いた展示だった

 

 

 

写真撮影可能の表示

気になったものを写した

 

 

日鉄敷地

今は煙も出ておらず、茶色い建物が林立し

不思議な光景が広がっている

 

 

別館も素敵だった

 

同じところを訪れても

いつ、どこで

何が自分にひっかかるかわからない

 

とても面白い