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誰も正しくないと思ってたら、みんな正しかった

この本はそれを考えさせられた



主人公の周囲が悪役のように感じられる側面もありつつ、

でも、そんなものかとか、仕方がないのかなとも



DVの脇役にすら、同情を馳せてしまう

大きな社会矛盾でなく、ごく些細な家族の矛盾、

ここからこの小説は起因したろう



完璧な家庭などない

正解は、無いよね



それがまたしっかり分かれば、わたしも家族に閉口せずにいるかも

物語は父を亡くし、母に捨てられた、ある小学生女子と

ほぼほぼ愛に包まれてた筈の良家の次男である大学生

この2人の出会いから始まる



性徴にコンプレックスのあった大学生の恋愛思考は歪んでおり、

女子もまた、親の愛から無残に切り捨てられており

謂わば似ている境遇の2人の、猥褻や純愛すら超えた二人きりの2ヶ月



ひょんなことから、2人はまあ当然ながら誘拐犯と被害者として、

その不思議な幸せを引き裂かれる



物語は、その2人の再会に駒が進み、

結局二人の本質が変わっていなかったため、

周囲を混乱させながら巻き込んでいく



まるで、REBECCAのオリーブって曲の歌詞みたいな二人、

その心身の放浪にエールを贈りたい



わたしの妻は、付き合い始めた当初から、自問自答やわたしに時には聞いてくることもあった

わたし、あなたで良いのかな?

まるでこの本の非現実性、

実態がつかみづらい心の変化のような




それで、わたしもこの本は結論が早く知りたくて、速読した



空気をつかむような、不思議なニュアンスが、わたしの恋愛や結婚生活と、

奇しくもリンクした



幸せってのは、生い立ちのように千差万別で

それに可否は無いのだなあ



帯に息を飲む、と書いてあったが、

確かに息を飲む、素晴らしい芸術作品



あー、朝まで読んでしまった(笑)



行間が狭い本は実は不得手なのだが、

今回は夢中で読みまくってしまった



寝るか(笑)



また画像が出ないので

流浪の月

凪良ゆうさん著

東京創元社

1500円と税



以上です