こんばんは！
間取りプランナーのＥｍｉです！
間取り相談実例をご紹介させていただきます。
今回はリノベーションでのご相談です。
私の相談室では通常、リノベーションのご相談はお断りしています。
理由は、柱や耐力壁を移動したり抜いたりするのが難しいため。
図面確認だけで現場を見ずに柱を抜くのは怖くて出来ません…
ですが今回、築１００年以上の古民家とのことでご相談をお引き受けいたしました。
なぜなら、築１００年もの古民家はいわゆる田の字で区切られた大空間の間取りだからです。
- 大空間を仕切る＝柱や壁を足す＝強度が増す＝可能。
- 逆に小空間をつなげて広くする＝柱や壁を抜く＝強度が不安＝難しいです。
◆ご相談者様／チータ様
＜ご相談内容＞
- 築１００年以上の古民家のリノベーション。
- 柱の位置が決まっているためにランドリールーム、トイレ、玄関が無駄に広い空間になりかえって使いにくそう。
- 収納は多くしているが収納が苦手で細かな計画が出来ていない。
- これまで家事を担っていた高齢のお姑さんが体調を崩してしまったため、今後の家事をいかに効率よくできるか。
- 家族の時間を楽しめるリビング、新居にしたい。
- トイレが不自然に広い。
- 今後、車いす使用も考えて便器と平行に入りたい。引戸にしたい。
- 玄関を従来の位置から内側に引っ込めたが、それでも玄関が広く無駄に思える。
- 外観、使い勝手ともに良くしたい。
- 玄関に手ぬぐい額を飾って季節感を出したい。正面に飾りたい。
- ランドリールームも同様に、ざっくり広い。家族の着替えを置く。広さをうまく活用したい。
- 冷暖房効率が悪いからという理由で扉が多い間取り。
- 柱を残す、凹凸を作りたくないなどの理由で何故か無駄に広くなってしまう空間がカッコ悪いような使いにくそうな気がしてなりません。
- 回遊動線になるはずだったキッチンが仕切位置の変更で叶わなくなったのが残念。
- 家族に協力してもらえるキッチンにしたいがカップボードとの間が狭い。
- 部分的に創建当時の天井仕上げを残す。新旧の融合。
- 動線や収納など第三者のプロの目線でご意見いただきたいです。
ライトプラン（計画中の間取りをブラッシュアップしてより良くするプラン）
【動線チェック】【もっと使いやすいわが家になる！ご提案】でのご相談です。
動線チェック ／Ｅｍｉ
洗濯動線、買い物動線、朝の身支度、ご主人の帰宅時…あらゆる目線で『間取りに住んで』みての動線チェックをします。
訪問してきたお客様目線でのチェックもします。
風通しのチェックや、「この部屋にしまいたいもの」の収納量チェック。
ヒアリングシートできめ細かくお伺いしていた「したい暮らし」が叶うかの総合的なチェックをします。
まずは現状間取りの柱をトレースしてスケルトン状態にします。
現状の柱とリノベーション案の柱を色分けして、どこを抜いてどこに足しているのか確認します。
抜粋
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ＣＡＤがほしいー 
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ネットの素敵画像お借りしました。今回のご相談物件ではありません。
赤で囲んだ部分が差し鴨居。
古民家建築の特長である、構造材としてのたくましさと造作材としての美しさを兼ね備えた立派な差し鴨居が外部にも回っています。
床からのH＝１７００mm。
重要な課題
細かにヒアリングをしながらご相談を進めるうちに、 超 がつく重要な課題が見えてきました。
それは 段差の解消
玄関とホール床の段差が４４０ｍｍあり。
和室の床が１段上がっていて廊下との段差が１４０ｍｍあり。
廊下の床レベルをかさ上げして和室とフラットにすると、玄関土間からホール床までの段差が５８０ｍｍにもなります。
出来れば外部で高さを稼いで玄関土間からホールまでの段差を小さくしたいけれど、外部床を高くすると差し鴨居につっかえてしまう。
うーんどうする？？
ＧＬ（地面の基準）までの正確な高さがわからないので仮ですが、バリアフリーの観点から１段当たりの高さの目安をお伝えしました。
- 玄関土間と玄関框の段差＝１８０ｍｍ以下
- 玄関戸の下枠と玄関ポーチの段差＝２０ｍｍ以下
メジャーを持ってチータ様宅へお伺いして実測したい …！
【参考資料】
高齢のお姑さんの部屋から数歩の位置にトイレが配置してあります。
今まで家事を担っていらっしゃったとてもお元気なお姑さんでしたが、近頃体調を崩されてしまったとのこと。
段差のない安全な家で元気に過ごしていただきたいです
部屋とトイレはできるだけ近くにしたいですね。
トイレの内寸を計算して…
要介助の場合は便器の前方・側方に５００ｍｍ以上の介助スペースが必要
⇒クリアしています。
自力走行の車いすの場合、トイレ内での方向転換が難しい。
⇒自動車をバックで駐車場に入れるのと同じ要領で便座に車いすを横付けし、そこから便座に乗り移りますが便器前のスペース不足で難しい。
介助用車いすの場合は廊下で方向転換しバックで進入する？
便器を入口側に近づける？
◆便器の向きを変えて、考えうるパターンを出してみる
⇒どの案も車いす使用は難しい。
◆トイレ位置を変更する
〇メリット〇
- 便器前スペースが１０９５ｍｍ空く
- 車いすの使用ＯＫ
✖デメリット✖
- お姑さんの部屋とトイレが遠くなってしまう
- お姑さんの部屋から直線で行けない
【結論】
車いすを使うかどうかはまだわからないし、できるだけ自力で歩いて行けるようにしたい。
⇒お姑さんの部屋とトイレを近くする
というお姑さんファーストの考え方を優先することになりました。
なので、トイレは原案の通り変更なし。
※高齢者はトイレまでの距離が４Mを超えると遠く感じるようになると言われています。
どちらの案も部屋とトイレの距離は４M以内ではありますが、直線で行ける方が体への負担が少ないです
相談者のチータ様は車いす介助のご経験があり、私の方が勉強させていただきました。
ありがとうございます。
【参考資料】
回遊動線にしたいので案を練る。
ダイニングも床のかさ上げをする必要があり、差し鴨居に当たって冷蔵庫が入らない！
この案はボツ。
◆キッチンを逆向きにした案。
リビングに背を向ける配置になってしまう。
この案はボツ。
◆リビングのソファーとテレビのレイアウトはどうする？
ソファーの向きと通路幅を検討する。
L型の配置が一番テレビを見やすいですね。
◆ダイニングのテレビはどこに置く？
テーブルの向きと通路巾を検討する。
◆家族で協力して使うキッチン
カップボードとの間は１０００ｍｍ（1M）としました。
キッチンとテーブルの間の通路巾は７００ｍｍです。
◆ベッドを置くと通路何センチ取れる？
◆ランドリールーム
カウンターの下に収納ケースを置く計画。
ぴったり入るって気持ちいいですよね！
◆寝室クローゼット
奥行が少なめのクローゼットですが、ハンガーパイプの取付位置を工夫すれば大丈夫！
洋服がかけられます。
前もって計画が出来ていれば収納ケースの予算もわかるし、家が完成したら必要な収納ケースを買ってきて置くだけ
引っ越し後にすぐ片付きますね
「どうしてこうしたいの？」
「〇〇の理由だからこうしたい」
ご相談の中でお話しするうちにご自分の「したい暮らし」に関する考えが整理され、間取りへのブレや迷いがなくなるのも間取り相談のメリットです。
自信をもって間取りを決定できるので、住み始めてからの後悔がないのが間取り相談最大のメリットです。
あらゆる可能性を試しながら一周して元の地点に戻ってきましたね。
ほぼ原案通りですが、この間取りが一番良い案であると確認できました
不安がなくなり、自信を持って間取りを決定できる。
これこそ、間取り相談のメリットです！
全体の間取り図の掲載は差し控えさせていただきます。
- キッチンを回遊できる動線です
- テレビの位置を変更したことで、奥行が深い窓際の棚を机のようにも使えるようになりました
平面図でわかりにくいところは立体的にイメージしやすいパースでお伝え！ ／Ｅｍｉ （ご相談料金に含まれています
）
Ｅｍｉより
オンラインで初めてリノベーション相談を承り、高さ関係、特に段差には注意が必要だと痛感いたしました。
バリアフリーについても車いす介護の体験談をお伺いさせていただき、大変勉強になりました。
ありがとうございました。
良い材料で作られた家は１００年以上住み続けられるのですね。
長い時間を経て貫禄を増した差し鴨居にほれぼれしてしまいます。
結果的に間取りの変更はほとんどありませんでしたが、これは考えうるプランの中から最良のプランを既に選んでいたということ。
心配事が解決できて安心されたと仰っていただき、本当にうれしく思います。
安全で住みやすいわが家にバージョンアップしていってくださいね
ありがとうございました
◆チータ様よりいただいたアンケート◆
私の宝物です
【ご相談の対応について】
返信の速度、ご提案内容など間取り相談の対応はいかがでしたか？＝大満足
【料金設定について】
サービスの内容に対して相談料金はどのように感じましたか？＝安い
【全体的な満足度について】
ご相談を終えての満足度を教えてください。＝大満足
【ブログ掲載について】
ご相談事例としてブログに掲載させていただくことは可能ですか？＝はい（ブログ掲載ＯＫ）
【ニックネーム】
チータ
【ご感想、メッセージなどご記入くださると泣いて喜びます。】
大変丁寧なご対応と相談内容に満足しています。
私は、図面から立体形状を想像するのが難しくイメージすることが難しかったのですが常に共に考えてくださる姿勢で嬉しかったです。リフォームなので制約も多く、見えない部分の梁の形状もあり、エミさんにはご苦労かけたと思いますが、不安な点やわからない点を早いリフレクションで解決していただきました。
特に、介護の視点や収納については多くの具体的なアドバイスをいただいて感謝しております。本当にありがとうございました。
尚、最後にいただいたパースで、主人とクローク収納部分の壁がアクセントクロスに出きるのではないかと思い付き担当者と打ち合わせ中です。ありがとうございました。
色々不安だったことがこの度の相談で解決したり安心できたりしました。大きな間取り変更に至りませんでしたが私は大満足しています。
そして、お庭作りも含めてエミさんのblogのファンです。
更なる御活躍をお祈りしています。
リピーターの相談者様は次回以降のご相談を割引価格で承ります
電気配線や内装決め、外構工事などで悩んだときは、どうぞまたお声かけくださいませ
読んでいただきありがとうございました♡
間取り相談室｜わたしのおしろ。
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