私が小学生の頃、兄は中学生。

兄は親のお金や私のお金をよく盗んでいた。

私は、お小遣いを貯金箱に貯めていた。

いつも大事に使わずに小銭貯金。一円玉、五円玉、十円玉、五十円玉、百円玉。

ある日、気付いたら一円玉と五円玉しか残ってない。

あー、またやられた!

別の場所に隠しても隠しても、やられる。

諦めて小銭貯金はやめた。

母に言っても兄を叱ってくれない。

なんでだろう?って、今でも理解出来ない。


兄の盗みはエスカレートして、

父の財布から一万円札も盗むようになり、

一枚どころか何枚も。

父が叱っても叱っても盗んでた。

その頃の私の家、父の事業がうまくいかなくて、借金してお金に困ってた。

そのため、母は夜も仕事をするようになって、夜はいないことが多かった。

父は会社に寝泊まりすることも多かったが、帰宅した時は、自分の財布を隠してから寝る。

でも、いつも盗まれる。その度に激怒!

兄の頭は丸坊主にされることもあった。

それでもやめない兄。

中学生なのに、父が在宅する時は夜でも家に帰ってこないと思ったら、ベランダに隠れていて、父が眠るのを待ち、お金を盗んでた。

隠し場所に困った父は、私の布団の中に隠した。

嫌だって思ったけど、怖い父だったので言えなかった。

私が寝ているところに兄がくるのが嫌なのに。

兄に身体を悪戯されるから嫌だって言いたかったけど、言えなかった。

でも、一つ気付いたことがあって、

兄がお金を盗む日は父が家にいて、父に怒られるから兄は盗んだら家を出て、夜中も帰ってこない。


私が中学1年の時、父の会社は潰れた。

父も母も家には戻れず、兄は友達の家に避難でもしてたのか?

私は夜中も一人で家に残された。

外にはお金を取り立てに来たおじさんが、家を見張ってた。

夜中ずっと、黒電話が鳴っていた。

そして家族で夜逃げ。

私は数ヶ月程だったか、母の知り合いの家に預けられた。意地悪な同い年の女の子がいて、最悪だった。


でも、寝ている時に、兄に身体を触られないことだけは嬉しかった。


良い思い出ではないけど、

離婚もしちゃったけど、

私、二人の子供達に恵まれて幸せに生きようとしています。