普通の生活が送れるようになって母は帰ってきた。

母がいて、私がいて、兄弟がいて。

私はそれだけで幸せだった。


でも幸せは長くは続かなかった。



母が3度目の入院をしたのは、高校3年の時だった。




やはり、度重なる暴力と言葉の暴力、

それが原因だった。

父は母が退院しても全く変わらず、母に当り散らした。

さすがに弟が少しづつだが強くなってきていたので、

いつも弟が母をかばった。

でもまだ父の方が強かったので、結果的に私達は母を守れなかった。




ちょうどこのタイミングで父は鬱になった。


今度は何もしなくなった。

仕事も酒も食事も。とにかく何もしなくなった。



「真夢がいないと生きていけない」



そういう父の為に、毎日家事をした。

正直、うんざりだった。

でも稼ぎも何もなかった私達は言う事を聞くしかなく、

そんな状態が約半年続いた。



母が退院したと同時期に、父はまた躁になった。




また手がつけれなくなった。