阿部光弘50歳。真剣勝負の過激さ故に、参加者の少ないこのケンカ空手、全日本格闘空手選手権に名乗りをあげたのが阿部光弘だった。
実は近年、大会スタッフとしてきていた阿部が急遽参戦しようとしたことはあった。
超強豪カルロス豊田の対戦相手がいなくなったからである。
カルロスはそれはルールに認められていないことであると主張したために実現はしなかった。
カルロス豊田はあのオーデマンすら「カルロスの恐怖を味わってから、この世に怖いものはなくなった」という強豪である。
50歳の阿部光弘25歳の吉野剛腕タイキ。
出血する阿部光弘。吉野剛腕タイキはタフネス随一。自分の顔が鮮血に塗れる状態からでも相手を締め落とす男である。

やはり相手を転倒させての打撃には柔術出身の吉野剛腕タイキに分がある。

阿部のケンカ空手、金的蹴りが決まる。
戦って年齢を重ねると、こういう駆け引きは若者に勝るのかも知れない。

本当に戦えばこうなるのだ。
阿部も吉野も傷だらけだ。

主審は酒谷敏生会長
阿部光弘が準優勝に輝く。