また変人扱いに拍車がかかるが正直に笑 | 渡瀬悠宇 OFFICIAL BLOG
前回。
散々、白虎5話描いてる最中「作画できない、腕が動かない」あーだこーだゴネてましたやん?

で、結局なんとかなったが、次からどうしたらええねん、…と

その前に、ちょっと誤解されぬよう…

私は「白虎」を描きたい!ですよ。
構想も練ってたし、ネームも難しいけど、描いてると楽しい。
なんせ無印超えるぜ1番面白くなるぜ!?!と息巻いてたくらい自信があった。

…が、なぜ今回こうなったか。

読んで欲しかった母はいない。(大泣きしたら多少落ち着いた)
大衆芸能(エンタメ)表現ウンザリモードに入った(これは作家的普遍的悩み)
シリーズでやってきた画面や表現に飽き(すまん元々少女漫画不得手←なぜデビューした!)
線が描きづら(丸ペンとクリスタでええがなと落ち着く)

が。
先日ふと手が動いてクリスタで、コミックス2巻のカバー絵をラフからペン入れまで2時間で終わらせました。出るのまだ先なのに笑

描ける…描けるぞ?!笑


担当さんとも相談し、友人にどうかと聞いたら「いいと思う!」…で、
ようやく自分の中で納得した打開策。

「男を主人公にするしかない!!」☹️

鈴乃ではなく、婁宿に主観を置くということ。
もちろん群像劇なんで色んな視点になりますが、雑誌がflowersなら、もはや可能じゃないか!
…玄武の時はうっかりあちこちに視点変えたら「少女漫画ですから」怒られたけどな!

そしたら、心が楽になって、するすると絵が描けたとさ…


以前も言ったかもですが。
12年前、うつ真っ盛りの時に受けた医師の検査による当時の分析結果ですよ。
「中身に性が無い」
色々言い方はあるかもですが、
いわゆる「Xジェンダー」
…LGBTにも入らず、肉体だけは男女性があるけれど、「中身は男でも女でもない」という。
多分これ読んでる方の中にもいるでしょう。

「あなたは理論的であり、思考が男性です。
このまま女主人公を描いていたら、必ず行き詰まります。」
数年前には別の先生にも
「あなたは完全な中性だから。男脳とか女脳とかじゃなく本当の中性」
作家脳、ということもあるかもしれない。

所属していた少女漫画雑誌では、当時女性の視点は一人称で感情移入しにくいという理由で、男主人公は却下されてた。
他の雑誌では描いてる人いるやん!笑

白虎の話に戻ると。
先日の絵も描けないやる気も出ない、1番の理由は前述の医師の言葉。
「女主人公」が、ここにきて本当に限界に来たのである。

少年漫画みたいな投稿作を出して引っかかって、少女漫画でうっかりデビューしたばかりに笑
無理やり女子の恋の心理をなんとか描いてきた。
別に描きたくもないイチャイチャも、嫌だ嫌だと言いながら、描いた。
真面目だったから。
女子読者は喜ぶ、と思ったから。
編集さんには愚痴ってたけど笑

でも、私は男主人公の作品を描いてしまった。
勝手に「櫻狩り」を描き、渡りに船で少年誌に移った。(まあそれが色々傷付くことになるが後述)
医師があの時言った「男主人公の方が合ってる」
それは大変自由で解放され…アラタはリマにおいてようやく。

なのに。
ようやく「女という枠」から抜けられたのに。
…「また女装するのか!!」
変だけど、この言葉が浮かんだ時に心情にしっくりきて、正直5話原稿上げる三日前、情けなくて泣いた。
苦痛に泣いた。
どっちかにちゃんと寄ってたら楽だったのに。

なんで世の中は何もかも二極化するんだろう。

因みに私は憑依タイプ、役者タイプの作家だ。
作品を通して、女になりきることも、おっさんになりきることも、犯罪者になりきることも出来る。
だから過去作も憑依してたから当時は楽しくは描いていたので否定はしません。
だから今回も行けると思ったけど…
1度解放されたら、戻るのは不可能でしたわ。
3話までは行けたのは、鈴乃が「子供」だったから。

念を押すと、私は女のガワ(身体)は嫌じゃない。
というか、二極化の片方に選ばれた以上受け入れてる。仕方ないし笑

細かく言い出すとキリがないが、今思うと幼児期からひとつひとつ思い当たる。
20後半で、流石に年齢的に「男女のどっちか」に寄る頃だな…でもガワは女の身体だから、やるならちゃんも綺麗なカッコするべと。
(普通はこんなこと思わないんだってさ…)
でもわかる人には分かって、不思議そうに
「体育会系の男性に思える」
何百人と会ってる方だからかなあ。

男性は基本、同性。
そして女性も、同性。
自分はというと、どちらかに偏らされるのにウンザリしている。
不快で不快で不快で不愉快。

なんで今頃?
追い詰められた気持ちで5話の作画進めてるときに
「アラタ カンガタリ」のアカチをラクガキしたんですよ。
叫ぶように、発作的に。


そしたら、ほっとした。
心底ホッとしたんです。
そしてなんでコイツを描いた?と自問自答した。

これ、私を女性として見て
「アカチのこと好きな~愛ね」とか取られたら不快だから言うと。

アカチは、「アラタ」のキャラの中でも1番
「私の隠された男性性」を表してくれてるんですよ。
すなわち私の男の部分。
理想も含めて。
忍耐、根性、激情と冷酷、突き抜け感、孤独、そして、対等になりたいと叫んでる。

私は、子供の頃から女の中に溶け込めなかった。
言動についていけず、完全に理解できず、違和感しかなかった。
なのに、男の輪にも入れない。
男じゃないから。

どこまでも、どちらにも入れない。
誰とも対等になれない。

だからか、ついボーとしてるときに
「私は亜人間だなぁ…」と呟いてたりする。

実は、逆に少年誌で妙に「己のガワが女性」を意識させられることになったという皮肉。
これは通常の女性作家も怒るだろうけど
「あなたは女性だから」「女性だし」「女性は」…
せっかく解放されて、絵柄変えたのに「少女漫画によせろ」まで笑
確かに女子向き雑誌で男性編集の口からはそんな言葉は出ませんやな。
二重に、意識と不快を強いられた。

…いいいいいかげんにしろっ!!!!!ってな笑

だからか、時たま夢想する。
「明日起きたら、男のガワになってないかな…」
なっても中身はおんなじだし。
ガワが男なら、いちいち描くことに
「女の作家だから」とか言われずに済むよな、と。
美形並べてる男性作家には言わないんだろ。

まだ少年誌側の人はちょっと仲間ぽいのでいいけど、普通の女子だと、子供の時から興味もない話に合わせるのに本当に疲れきったし孤立してた。
因みに男性と結婚したいとか、子供を産みたいと思ったことも、過去1度もない。
けれど手術してまで男になりたい訳でもないから、やっぱり言われた通りグレーなんだろうなぁ…ただアバターみたいにできるなら速攻なるかも。

来世まで考える。
人間には生まれたいけど、第3はないのか?と本気で考えたりしてる。
身体が2極化しかないのなら「中性」という人権出来たらいいのに。
今回はそのうち老化でどっちでも無くなるんだろうけど笑

でも作品だけは、もうええやん。
他人のジャッジで意識させられたけど、
どちらかに決めないで欲しい。
どっちでもあるし、どっちでもない。
ウンザリだ。

因みに白虎が済んで、いつものオステオパシー医院で治療受けたらずっと数ヶ月腰痛反応だったのに
「心因性の反応が出て、しっちゃかめっちゃか」
「右半身は緊張で固まり、左半身は内蔵の位置が定まらないくらいうろうろしている」

上記の話を少ししたら、先生は
「なるほど、それで男性と女性バランスがおかしくなったかもしれないですね」
だ、ダイレクトすぎる…笑笑

今回のことで自己分析して、色々と長年の生きづらさが自分の中で腑に落ちました。
今の医師に改めてこの話も降ってみるけど、多分「ありのままでいい」と言ってくれるでしょう。
今まで何人か専門家にあったけど、偉いものでちゃんとした医師ほど
相手に「決めつけの言葉」を言わないんですな。
だから私もXジェンダーという言葉はとりあえずわかりやすいから使ったけど、基本ハマってないと思う。

「私は私という人間」なんで。
診断に使われるような一言で説明出来るものか笑
人間1人の奥は深いのだ。
だからキャラクターもそう描きたい。
思えば、いつでも「中間」に立たされるけど、
白と黒のどちらかより、何色もあるグレーの中で生きる方が、創作者としてはいいんじゃないか。
まあ、マイノリティーで寂しいです。笑

ともかくハッキリしたのは
「男が主人公」でないと心身共に不調を来す、ということかな笑
この記事を読んで理解してくれる人数、も期待はしない。
ただ、一緒に仕事をする相手には、とりあえず分かっておいて貰いたいですなあ… 笑

そんな苦痛の中で描いた白虎仙記第5話は
28日土曜発売flowersに載るよ!
カラー扉。

いやあ、なんにせよ今後楽しく描けそうで良かった。本当良かった。
もう残りの人生、ナチュラルに生きようぜ。