猪苗代湖野外音楽堂ライブの次の日。
せっかく来たのだから観光してみた。
安達太良山、磐梯山を探索するのだ。
安達太良山といえば、詩人 高村光太郎 の詩集「智恵子抄」の詩「あどけない話」で知っていて、ずっと行きたいと思っていた。
智恵子は東京に空が無いといふ
ほんとの空が見たいといふ
(中略)
安多多良羅山の山の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だというふ
あどけない空の話である
といった詩。
前日の曇天、風まみれとは打って変わって、快晴。
これが安達太良山か。
これがほんとの空であるか。
すごい綺麗。
泊まっていた温泉宿はこの安達太良山の麓にある中ノ沢温泉の宿。昔ながらの温泉宿でいい感じにサビれた、いいとこだった。石灰成分が入っているのか、白いお湯だった。
その温泉の近くに滝があるというので、早起きして行ってみた。
車で少し山に入ると、どんどん空気が澄んでくる。ここから滝へと入っていく。山道散歩。緑映えまくりで気持ちいー。
緑に包まれつつ、そして滝に着いた。
これが達沢不動滝。
滝壺に入れるくらい近くにまで行ける。
水しぶきが風に運ばれて顔にあたり、気持ちがいい。マイナスイオンで出まくり。
空が綺麗とか、緑が綺麗とか、水が綺麗とか、空気が綺麗とか。それだけの事がありがたい。東京に住んでいたらなおさら。人は自然がそばにあるほうがいいなと最近よく思う。地方創生。ゆとりある生活。オレも近々郊外に引っ越そうかと企んでいる。
そして滝を堪能した帰り道。陽光に照らされた川の流れ。
音がヤバい。
静かにして聴いてみ。
癒しの音。
疲れた時にどうぞ。
たっぷり癒されて、お次は磐梯山へ。
車を飛ばし、ほぼ隣の山、名山磐梯山。その奥、裏磐梯へ。
そして目指すは五色沼湖沼群。
毘沙門沼・赤沼・みどろ沼・竜沼・弁天沼・るり沼・青沼・柳沼などの数多くの湖が集まった、ミシュラングリーンガイドにも載った場所。
山道の入り口から徒歩でしばらく行くと、突然見たことのない色の湖があわられた!
なんだこれ…。
なんて色だ!
「青沼」という。
火山性物質が溶け込んでこうなったらしい。
妖精でも出てきそうな雰囲気。こりゃあすごい。
初めて見つけた人はビビっただろなー。
ドラクエの世界かいここは。
迷い込んだ旅人のつもりで。
あんま似合ってねーなw
妖精感ゼロだね。
いやしかし、ほんといいもん見た。
そして次の湖へ。
青沼から少し進んだところにある「るり沼」に行った。
こちらも綺麗。瑠璃色の水が鏡のよう。
絵葉書にできそうな雰囲気。
他にも湖はあるのだが、ここで時間切れ。
惜しみつつ帰ることに。
しかしまあ、ここでもまた癒されて満足。
そして車に乗り込み、山を降りて猪苗代湖の湖畔にある野口英世記念館に寄った。
この地方では有名な記念館との事で、ツアー客がたくさんいた。
福島が生んだ世界的大博士、野口英世。
ウイルス研究の資料や歴史を見て聞いて勉強になった。
こないだの樋口一葉が五千円札、そして野口英世は千円札。お札繋がりの観光。
野口英世とコスプレ写真が撮れるところがあって、白衣とヒゲが置いてあった。
そしてワシ、博士になってみた。
英世先生、偉大な功績ありがとう。
小生も精進します。
そんなわけで、猪苗代湖野外音楽堂「音開き2018」のおかげでたっぷりと猪苗代湖周辺を堪能させてもらった。
自然あふれて、人情あふれて、ほんとうにいいところだった。
心の底から癒された旅。
後ろ髪を引かれる思いで、車で高速道路の渋滞や、なんかのレースのように恐ろしく速い首都高を乗り越えて、大都会東京の喧騒の中に戻った。
またいつか福島行けることを楽しみに…。
氏原ワタル