こんにちは。野澤渉です。

 

弁護士事情というのは国によって大きく異なるものです。こちらではサウジアラビアの弁護士事情について野澤渉が説明しましょう。まず、こちらの国で制度が生まれたのは1958年のことです。かなり歴史的には新しいのです。実際に法廷で活躍するようになったのはなんと1980年代に入ってからのことなのです。サウジアラビアにはシャーリアという法律があるのですが、その中にはそもそも弁護士というものが規定されていません。そのため社会的に地位は低くて、あまり尊敬もされていないのです。

 

ただし、21世紀になってからは国内できちんと教育を受けた者が出てくるようになり、欧米で活躍して世間で注目を集めるような人も出てきたことから、これから評価が変わっていく可能性はあります。かつてはワッハーブ派のムスリムでないとなれなかったのですが、現在は一定の条件下において他宗派や他宗教の者であっても資格を持つことが認められるようになっています。そもそもシャーリアに根拠がないことから異教徒がなっても構わないとされているのです。ただし、その権限というのはかなり低く、たとえば裁判の判決が不服であるとして資格を剥奪されてしまうケースもあるのです。

国王や国家、宗教指導者の地位がかなり高い国のため日本や欧米のようにはいかないのです。