本患者はリンパ節転移のみ分からないが、癌が直接多臓器へ浸潤していること、そして遠隔転移を認めているためSTAGE4である。STAGE4の患者は原発巣、遠隔巣が切除可能であれば外科的治療を行うが、本患者は切除不能な大腸癌である.転移巣が切除可能であっても基本的には原発巣が切除不能な場合は外科治療を推奨されていない。そのため、化学療法を提案する。化学療法を実施しない場合、切除不能進行・再発大腸癌の生存期間中間値は約8ヶ月で、化学療法を行うことで、約30ヶ月を超えるMSTも報告されて来ている。患者の状態からの一次療法の選択とはなるが患者が希望した場合PSも0のためFOLFOX/XEROX(+ベバジズマブ)から段階的に化学療法を行なっていくことを提案する。