東京工業大学理工学部→東京大学大学院中退→宮城教育学部教授であり,様々な学習に関する著書を出版している西林克彦さんの
「わかったつもり 〜読解力がつかない本当の原因〜」
の要約をします。
文章の読解には「わからない」「わかる」「よりわかる」の3段階ある。
<わからない→わかる>
個々の単語や文法は完全にわかる状態であっても,何を指すのか,何の話なのかがわからない。
例えば,
「布が破れたので,干草の山が重要だ。」
このままでは意味がわからないが,
「パラシュート」という単語が加わると一気に意味がわかるようになる。
この「パラシュート」が文脈であり,文脈とスキーマが組み合わさり文章がわかる状態になる。
スキーマとはある事柄に対する頭の中にあるひとまとまりの知識であり,上記の文章中では「干草の山→クッションの役割になる」という知識である。
<わかる状態が理解を深める邪魔をする>
わかる状態は「わかったつもり」であり,浅い理解で安定・停滞してしまっている。
文章に対して読み取れる文脈は多く存在しているのにも関わらず,思考が停止してしまっていてより深く文章を読もうとしない。
<よりわかる状態になるためには?>
理解を深めるためには,
・わかったつもりであることを自覚する
・様々な角度から疑問を持って,文脈を増やす
・文章の部分間の関係の緊密化する
上記3点を行うことでより深く文章を理解でき,自分なりの解釈につながると述べられている。
部分間の緊密化とは,
例えば先の「パラシュート」という文脈が加わることで,
「落下中に布が破れた」→「落ちる前に干草を用意すれば助かる」という時系列の関係性が見えてくる。
このように部分間を関連づけていくと,より理解が広かっていくというものです。
以上で要約は終わりです。
意外と感覚的に知ってはいる事をこの本では具体化・言語化して,例を交えて書いてくれているのでわかりやすいです。
大学入試のセンター試験問題も例に用いられているので,受験前の中学生・高校生も読んでみると問題の意図がわかったりすると思うのでオススメです。
次は何を読もうか。
オススメの本があればコメント等で教えてください。