胎児エコー当日。
夫と2人、車で病院へ向かう。

お互い緊張して、何も話せなかった。
この先の宣告で、
私の人生が変わる。
こんな大袈裟な事を考えていた。

いつまでも自分中心な考え。

病院に到着し、
早速エコー開始。
長い長い時間だった。

実際、40〜50分はかかったと思う。

担当医、産科部長、新生児科医、
相変わらず、専門用語が飛び交う。
真っ暗な部屋で、仰向けになって天井を見つめる。
緊張で、心臓が高鳴っていたが、
おかしなことに、しばらくすると睡魔が…

ちんぷんかんぷんな専門用語が
子守唄のように聞こえてきて、
真っ暗な部屋…
確かに眠くなる環境(!?)ではあるが、

この状況でも眠くなるのかと
自分で自分が可笑しかった。

でも、隣りに座っていた旦那も
後で同じこと言ってた…笑

(そんな中で
VSD
という単語がひたすら飛び交っていた。
その時は分からなかったが、
ずっと頭に残っていた。

ずいぶん後になって調べたが、
心室中隔欠損
の英語略だった。)

そして、話の雰囲気で
あぁ、心臓病は間違いないのか…
と分かった。
何かの間違いであってほしい、
という淡い期待は打ち砕かれた。



エコーが終わり、
一旦退室。

診察室で説明するので、
待合室で待つように言われる。

待合室で待つ間は、
緊張のピークだった。
手も震えた。

実は、私の心配することがもうひとつ。

ダウン症児は、心臓病を合併する事が多い。

お腹の中の子は、
もしかしたらダウン症かもしれない。

この恐怖が、心の大半を占めていた。

いや、でも、今までのエコーで
体つきなどを指摘されることはなかった。
だから大丈夫なはず。

…いやいや、今までの検診で
心臓病をずっと見逃されてきたんだから
あの医者の診立てはアテにならない。。。

…こんなにダウン症を心配する私は
なんてひどい人間なんだ。。。
それよりも、
もしかしたら命の危険があるかもしれないのに。

もう、気持ちが限界だった。


ふと
目の前に貼ってあるポスターに気づいた。

新生児のお世話の仕方。
かわいい赤ちゃんの絵。
沐浴、授乳…など。

あぁ、長女の頃はこんなだったなぁと懐かしみ、
お腹の中の子は、こんなお世話できないんだろうなぁ、と虚しくなった。

隣で夫は何を考えていたのだろうか。

しばらくすると
診察室へ呼ばれた。